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井上久男

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経済ジャーナリスト

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見解この記事のタイトルにもあるように、11月7日に発表したリストラ計画の実効性には確かに疑問符がつく。今年3月に発表した中期経営計画で示した販売増計画をわずか半年後に軌道修正したので、今の日産の経営陣は状況を見通す力が弱い。厳しくいえば、考え方が甘い。リストラ計画では、生産能力20%削減、固定費3000億円削減を打ち出しているが、この数値は23年度まで展開した中期経営経営計画の日産nextと全く同じで、その焼き直しのように見える。果たしてリストラ計画の中身を経営陣で真剣に議論したのか疑わしい。25年3月期決算の業績見通しでは、当期純利益を3000億円の予想から未定に事実上の下方修正したが、リストラで積む特別損失を計算できてないからだろう。ということは、リストラで具体的に何をやるのかがまだ定まってないということだ。

コメンテータープロフィール

1964年生まれ。88年九州大卒。朝日新聞社の名古屋、東京、大阪の経済部で主に自動車と電機を担当。2004年朝日新聞社を退社。05年大阪市立大学修士課程(ベンチャー論)修了。主な著書は『トヨタ・ショック』(講談社、共編著)、『メイドインジャパン驕りの代償』(NHK出版)、『会社に頼らないで一生働き続ける技術』(プレジデント社)、『自動車会社が消える日』(文春新書)『日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年』(同)。最新刊に経済安全保障について世界の具体的事例や内閣国家安全保障局経済班を新設した日本政府の対応などを示した『中国の「見えない侵略」!サイバースパイが日本を破壊する』(ビジネス社)

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