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縣秀彦

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自然科学研究機構 国立天文台 准教授

報告

見解SLIMは2023年9月7日に打ち上げられ、着陸予定地は神酒の海周辺のクレーター内でした。最終着陸地点は予定より東側に55メートルほどの地点で、世界初のピンポイント着陸に成功しました。 SLIMは、着陸には主脚が接地した後に機体が倒れこんで補助脚で着地するという「2段階着陸方式」が用いられましたが、横倒しになった状態で静止し、太陽電池パネルに太陽光が差し込み起動する期間が限られることになりました。月面は、日中は110度以上、夜はマイナス170度と温度変化が激しく、機体も観測機材もかなりのダメージを受けます。 はやぶさ、はやぶさ2、そしてSLIMで達成したJAXA宇宙科学研究所の自律航法によるピンポイント着陸技術は、欧米や中国などもいまだ獲得していない技術です。今後の月着陸ミッションや火星の衛星フォボスへのサンプルリターン計画(MMX)(2026年打ち上げ予定)などで展開されることでしょう。

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コメンテータープロフィール

縣秀彦

自然科学研究機構 国立天文台 准教授

1961年長野県大町市八坂生まれ(現在、信濃大町観光大使)。NHK高校講座、ラジオ深夜便にレギュラー出演中。宙ツーリズム推進協議会代表。国立天文台で国際天文学連合・国際普及室業務をを担当。専門は天文教育(教育学博士)。「科学を文化に」、「世界を元気に」を合言葉に世界中を飛び回っている。

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