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川崎大助

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作家

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解説たしかに発表当時から「植民地主義、帝国主義的な物言いが気に食わない」と、叩かれ続けていた歌でありました。「Can they know it's Christmas time at all?(クリスマスの時期になったって、彼らは知ることができるのだろうか?)」という視点の置きかたは、傲岸不遜以外のなにものでもない。アフリカにはイスラム教徒もいっぱいいる。クリスマスが関係ない人だって、いくらでもいる。なんかそれが悪いのか?と腹を立てていた人、日本にも当時いた。いくらこれが、おもに西側世界(つまりキリスト教世界)に向けての募金集め目的の歌だとしても、あまりにもセンスがない。それは直後の85年に発表された、近い趣旨なれど格段に内容がいい「ウィ・アー・ザ・ワールド」との違いを見てみればわかる。さすがに今回は、せめて部分的にでも歌詞を修正したヴァージョンを採用すべきだったと僕も思います。

コメンテータープロフィール

作家。小説執筆および米英のポップ/ロック音楽に連動する文化やライフスタイルを研究。近著に長篇小説『素浪人刑事 東京のふたつの城』、音楽書『教養としてのパンク・ロック』など。88年、ロック雑誌〈ロッキング・オン〉にてデビュー。93年、インディー・マガジン〈米国音楽〉を創刊。レコード・プロデュース作品も多数。2010年より、ビームスが発行する文芸誌〈インザシティ〉に参加。そのほかの著書に長篇小説『東京フールズゴールド』、『僕と魚のブルーズ 評伝フィッシュマンズ』、教養シリーズ『ロック名盤ベスト100』『名曲ベスト100』、『日本のロック名盤ベスト100』など。

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