「バンド・エイド」40周年記念曲に反対の声、負のイメージ永続と
Catarina Demony [ロンドン 19日 ロイター] - 英スター歌手らがエチオピア飢饉支援のために結集した「バンド・エイド」のヒット曲「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」発表から40年になるのを記念し、新たなリミックス盤が発売されることになった。これに対しガーナ系英歌手のフューズODGが、この曲はアフリカ大陸への否定的な固定観念を永続させると反対の声を上げている。 同曲はロック歌手ボブ・ゲルドフとミッジ・ユーロが呼びかけて結成されたバンド・エイドが1984年に発表。その後、20周年と30周年にも新バージョンがリリースされ、エド・シーランやワン・ダイレクションなどが参加した。 ただ、曲の歌詞がアフリカを不当に暗く捉え、何も育たない恐怖と不安の世界を描いていると批判する声もある。 ゲルドフは集まった資金で「何十万人もの人々が生きている」とし、飢餓や水不足は現実の問題で植民地的な表現ではないと反論している。 40周年記念曲はシーランなど過去の録音をフィーチャーしたリミックス盤で、先週にリリースが発表された。ただ、シーランは18日、「10年たって、問題の語り方に対する理解が変わった」とインスタグラムに投稿し、新盤リリースも了承していないと述べた。 フューズODGは「表向きは危機を救うための募金に見えるが、長期的に見れば、アフリカ人としての集団的アイデンティティーを破壊しているだけで、これを変える必要がある」と述べた。