Yahoo!ニュース

川崎大助

川崎大助認証済み

認証済み

作家

報告

見解これは大きいですね。利便性だけではなく、文化的にすさまじく巨大な影響をおよぼすかもしれない。「好きなシーン」を特定して呼び出せる、それを容易に共有できる、ということは、映像作品の視聴方法や楽しみかたを根本的に変えてしまう可能性がある。作り手もこれを意識せざるを得なくなるかも――というところで僕は、ヒップホップ音楽の大流行によってポップ音楽界が歴史的大変化を起こした事象を思い出しました。過去音源の「サンプリング」と再構築によって新しい流行歌を作る、あるいは「そのように発想する」ことは、今日ごく当たり前の行為となっていますが、その大革命の黎明期に似たような状態を、このネットフリックス・アプリの新機能が促進してしまうのかも。誰もが試してみたくなる機能であることは間違いないでしょう。

コメンテータープロフィール

作家。小説執筆および米英のポップ/ロック音楽に連動する文化やライフスタイルを研究。近著に長篇小説『素浪人刑事 東京のふたつの城』、音楽書『教養としてのパンク・ロック』など。88年、ロック雑誌〈ロッキング・オン〉にてデビュー。93年、インディー・マガジン〈米国音楽〉を創刊。レコード・プロデュース作品も多数。2010年より、ビームスが発行する文芸誌〈インザシティ〉に参加。そのほかの著書に長篇小説『東京フールズゴールド』、『僕と魚のブルーズ 評伝フィッシュマンズ』、教養シリーズ『ロック名盤ベスト100』『名曲ベスト100』、『日本のロック名盤ベスト100』など。

関連リンク(外部サイト)

川崎大助の最近のコメント