見解リニア中央新幹線の開業延期は、我が国の観光立国の実現にブレーキをもたらすものと考えています。一企業と一自治体という対立軸のように報道されていますが、本来は国策として推進すべき巨大プロジェクトであることが議論されていません。混迷を極める一端には、政府の積極介入がみられないこともあるのでは、というのが私見です。世界に誇るSHINKANSEN=新幹線の世界展開が、うまくいかない点も同様です。日本の航空機製造は歴史的に国際競争力を持つことができない状況が今も続いていますが、鉄道に関して言えば、イニシアチブを握ることができる良いチャンス。それを長らく企業任せにしたことから、日本の技術の世界流出も顕著になりました。日本の観光競争力は、「ものづくりニッポン」が力強く下支えしていることから成り立っています。うわべだけの観光立国宣言では、いつか飽きられてしまうものと考えます。
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コメンテータープロフィール
淑徳大学 経営学部 観光経営学科 学部長 教授で観光ジャーナリスト。中央大学卒業後、富士銀行、シテイバンク勤務を経てJTBに入社。1996年有限会社千葉千枝子事務所を設立、運輸・観光全般に関する執筆・講演、TV・ラジオに多数出演。東京都・神奈川県・岩手県など自治体の観光審議会等委員を歴任。NPO法人交流・暮らしネット理事長。中央大学の兼任講師(いずれも現職)を務めている。日本記者クラブ会員。
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