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阿古智子

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東京大学 総合文化研究科 教授

報告

見解スパイ容疑に関わる裁判を非公開で行うしかないというのは、わからないわけではないが、一般には非公開であったとしても、日本大使館員や家族は傍聴できたのだろうか。弁護士は適切に被告の弁護ができる状態であったのだろうか。家族や大使館員が傍聴できなかったとすれば、傍聴する権利があると主張すべきではないか。弁護士、家族、大使館員に対して一部でも関連の情報が共有されており、その上で、中国当局の主張に納得できない部分があるのであれば、それを弁護士を通じて伝えるべきだし、日本における関連の法律や制度に照らして受け入れ難い内容であるならば、日本政府からもその旨を伝えるべきではないか。アステラス製薬の日本人社員の健康状態を確認するというのは、最低限やらなければならないことであり、それだけでは全く不十分だと思う。

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コメンテータープロフィール

阿古智子

東京大学 総合文化研究科 教授

1971年大阪府生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。大阪外国語大学、名古屋大学大学院を経て、香港大学教育学系Ph.D(博士)取得。在中国日本大使館専門調査員、早稲田大学准教授などを経て、2013年より現職。主な著書に『貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告』(新潮選書)、『超大国中国のゆくえ―勃興する民』(新保敦子と共著、東京大学出版会)、『香港 あなたはどこへ向かうのか』(出版舎ジグ)など。

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