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秋山文野

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サイエンスライター/翻訳者(宇宙開発)

報告

スターシップの第1段にあたる「スーパーヘビー」ブースターは、液化メタンと液体酸素を推進剤とする「ラプター」エンジンが33基搭載されたクラスター型のロケットです。4月20日の試験飛行では、ロケットの姿勢を制御するジンバル機能を持つラプターエンジン数基が正常に機能せず、また停止してしまったエンジンもありました。飛行を正常に継続できないと判断され、打ち上げから4分後に飛行停止システムによって機体が破壊されました。 今回のスターシップの打ち上げはペイロードを搭載しない試験飛行であり、失敗は想定されたリスクでもあります。そのため、スペースXの技術陣は飛行データを得られたことを前向きに喜んでいるわけですし、健全な開発の姿勢だと思います。とはいえ、スターシップはNASAの月面有人探査「アルテミス3」で着陸船の役割を担うわけですから、探査に間に合う迅速な開発も同時に求められています。

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  • 山崎直子

    宇宙飛行士・一般社団法人SpacePortJapan代表理事

    今回の試験飛行は、ブースターとスターシップを組み合わせた状態での初の打上げであり、射点をクリアするこ…続きを読む

コメンテータープロフィール

秋山文野

サイエンスライター/翻訳者(宇宙開発)

1990年代からパソコン雑誌の編集・ライターを経てサイエンスライターへ。ロケット/人工衛星プロジェクトから宇宙探査、宇宙政策、宇宙ビジネス、NewSpace事情、宇宙開発史まで。著書に電子書籍『「はやぶさ」7年60億kmのミッション完全解説』、訳書に『ロケットガールの誕生 コンピューターになった女性たち』ほか。2023年4月より文部科学省 宇宙開発利用部会臨時委員。

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