今回の試験飛行は、ブースターとスターシップを組み合わせた状態での初の打上げであり、射点をクリアすることが目的、それ以降はボーナス(icing on the cake)とSpaceX社が宣言していました。中継を見ていましたが、エンジン数基が点火せず、スターシップの分離が正常にいかず、指令破壊となっても、射点をクリアして高度40km程まで行ったことに、職員や観客から歓声が上がっていました。 4/17に推進剤加圧システムのバルブが原因で、打上げ10分前程で中断になってから、数日で再挑戦に至ったことも印象的でした。 有人ミッション迄には100回位打上げデータを取るだろうとも言われていますが、昨年のFalcon9ロケットの打上げは60回を超えており、培ってきた量産・運用のノウハウを活かしていくと考えられます。トライアンドエラーを繰り返せることが大事だと改めて思います。
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コメンテータープロフィール
千葉県出身。東京大学大学院航空宇宙工学専攻修士課程を修了後、宇宙開発事業団(現 JAXA)へ入社。2010年スペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗し、国際宇宙ステーション(ISS)組立補給ミッションSTS-131に従事。2011年にJAXAを退職。現在は、内閣府宇宙政策委員会部会委員、一般社団法人Space Port Japan代表理事、日本宇宙少年団(YAC)理事長、宙ツーリズム推進協議会理事、アースショット賞評議員などを務める。著書に『宇宙飛行士になる勉強法』(中央公論新社)、『瑠璃色の星』(世界文化社)、『夢をつなぐ』(KADOKAWA)など。