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NY原油29日:ギリシャ情勢を警戒で、期近が急落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油7月限 前日比1.30ドル安

始値 58.84ドル

高値 59.27ドル

安値 58.04ドル

終値 58.33ドル

ギリシャ情勢の混乱を受けて、原油市場からも資金引き上げの動きが目立った。

引き続き需給面に特段の新規材料が見当たらない中、ギリシャ情勢を巡る混乱状況が原油相場の上値も圧迫している。株価が急落地合を形成する中、原油相場もアジアタイムから売り優勢の展開に。その後はドル反落でショートカバー(買い戻し)が膨らむ場面も見られたが、引けにかけては改めて戻りを売り込まれる展開になっている。なお4月から続くボックス圏内での値動きだが、再び60ドルの節目からの下放れを試す展開になっている。

また、イラン核交渉の期限となる6月末が近づいていることも上値圧迫要因に。期限までにイラン核協議の最終合意は実現しない見通しだが、関係者からは早期合意に期待を持たせる発言が相次いでおり、イラン産原油の市場への供給が拡大するとの懸念も、原油相場の上値を圧迫している。

これまでは国際原油需給の緩和状態を背景に売られても、米国内の石油製品のタイト感、ドル反落などに下値を支えられる展開が続いていた。こうした中、ギリシャ情勢を巡る混乱状況を手掛かりに、下値切り下げを実現できるのかが試される局面に。特にギリシャ情勢が国際原油需給に大きな影響を及ぼす訳ではないが、完全な膠着相場が続いているだけに、レンジブレイクとなれば下値切り下げ傾向が本格化する可能性はある。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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