台風6号　31日に大東島地方に最接近

　台風6号は、7月28日午前3時にフィリピンの東で発生し、7月30日（日）午後9時現在、大型で強い勢力の台風6号は、日本の南海上を1時間に15kmの速さで北北西へ進んでいます。中心気圧は970hPa、中心付近の最大風速は35m/sで暴風域を伴っています。今後も発達しながら北寄りに進み、31日（月）の夜には大東島地方に最も近づく見込みです。その後は進路を北西に変えて、強い勢力で8月1日に沖縄本島地方、宮古島地方にかなり接近し、2日にかけて石垣島地方に近づく見込みです。

台風5号よりもより東から沖縄へ向かうコースに

　台風6号は、台風5号よりもおよそ500キロ東へ離れた海上で発生しました。（台風5号は、7月21日午前9時にフィリピンの東で発生したあと北西へ進み、南シナ海へ抜けたあとは中国大陸へと進み、29日の午前9時に華中で熱帯低気圧へと変わりました。）

　台風6号は、台風5号よりもおよそ500キロ離れた東海上から沖縄地方に向かうこと、偏東風、太平洋高気圧の位置により、大東島地方から沖縄本島地方、宮古島地方、八重山地方に接近するコースになる可能性があり、県内全域に影響が出る見通しです。

7月・8月台風

　7月の台風の発生数の平年値は3.7個、そのうち沖縄地方への7月の台風接近数の平年値は1.5個、8月の台風の発生数の平年値は5.7個、そのうち沖縄地方への8月の台風接近数の平年値は2.2個となっています。（1991年から2020年の平年値）今回の台風6号は、統計上は発生は7月、接近は8月の統計に入ることになります。

沖縄地方横断台風

　ここ5年間で、この時期に大東島地方から沖縄本島地方、宮古島地方、八重山地方に接近した台風をみてみますと、2018年の台風14号があります。

　2018年は台風の発生が6月に4個、7月に5個、8月に9個という発生ラッシュの年でした。

【2018年　台風14号】　

　2018年8月8日午前9時にフィリピンの東で発生した台風14号は、日本の南を北西へ進み、11日の明け方には南大東島に接近し、その後は進路を西に変えて沖縄本島と宮古島の間を通過しました。

　この台風は、中心よりも南から西側に発達した雨雲があり、宮古島市では12日の未明から明け方にかけて台風の外側の雲域がかかり猛烈な雨が降りました。

　宮古島の城辺では、12日の午前2時46分に日最大1時間降水量が117.5mmを観測し、通年としての極値を更新しています。

　また、8月12日の午前2時48分には、宮古島地方に記録的短時間大雨情報、12日の午前3時57分には、宮古島市に「50年に一度の記録的な大雨」の府県気象情報を発表しました。

2018年台風14号関連資料（データ：沖縄気象台）

　この台風の影響により、沖縄地方の海上ではしけの状態となりました。沖縄県などによりますと、宮古島市と石垣市で床上浸水や床下浸水の被害があったほか、宮古島市では道路が冠水し、停電の被害が2000戸報告されています。また、沖縄地方全域で空・海の便で欠航が相次ぎました。

　今回の台風6号も、5年ぶりに沖縄地方を横断する台風となるおそれがあります。つまり、沖縄全域で警戒が必要という点では、普段と違う台風への備えが必要になります。油断をせずに備えをして下さい。

　8月1日に予想される風は、沖縄本島地方では、北のち南東の風で最大瞬間風速は40～60mの見込みです。まとまった雨や高波にも警戒が必要です。

　また、台風の影響と大潮の時期が重なるため、潮位が高くなる所がある見込みです。海岸や河口付近の低い土地では、高潮による浸水や冠水に十分注意してください。

　夏休み期間中に台風接近となります。観光客の皆さんも海のレジャーは大変危険です。予定の変更などは早めにお願いします。

資料参考:気象庁、沖縄気象台、沖縄県