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「本当に残念」卓球男子団体でフランスに敗れた日本の張本智和に中国のSNSが注目 試合内容は5億回再生

中島恵ジャーナリスト
卓球男子の張本智和選手(写真:ロイター/アフロ)

8月9日、パリ五輪・卓球男子団体の3位決定戦が行われ、世界ランク4位の日本は同3位のフランスにフルマッチの末、2-3で敗れた。日本は3大会連続のメダルの獲得はかなわなかった。

エースの張本智和選手は試合終了後のインタビューで「準決勝が終わった時点では最悪の大会だと思った。今日勝てなかったけれど、すごくいい大会だった。このチームをすごく誇りに思います」などと涙ながらにコメント。疲れた様子も見えたが、全力を尽くし切り、安堵の表情を浮かべる場面もあった。

3位決定戦の記事は5億回以上、閲覧された

日本メディアもこの試合をリアルタイムで伝えたが、張本選手の両親の母国・中国でも大きな注目を集めた。

卓球男子の試合が始まって以降、ここ数日間、他の中国のオリンピック選手と同様か、それ以上に張本選手の動向には関心が高まり、ウェイボーでは常にランキングの上位にあるほどの突出した人気ぶりだった。

今日の試合終了から約1時間後の午後9時半(日本時間)時点で、ウェイボーのランキング1位は「卓球男子団体・銅メダルをかけた試合」。つまり、他のニュースや中国人選手の報道を抑え、張本選手を含む日本チーム対フランスの試合だった。詳細な各ゲーム内容が紹介されたスポーツ専門メディア『中国体育』の記事は、その時点で約5億回以上も閲覧され、約5万回もの「いいね」がついた。

また、第4位は「張本智和ゼロメダル(メダルなし)」で、こちらも同時点で2000万回以上閲覧された。

張本選手関連の両記事のコメント欄には「本当に残念だった」「張本ひとりじゃ勝てない」「張本に同情する」「まだ若い。しかし、4年後のオリンピックはすぐにやってくる」「(中国の男子体操選手の)張博恒と同じく悲劇の英雄だ」など、張本選手に同情するものが多かった。

中には「フランスがんばれ」「フランスが勝てばいいな」「小日本(日本の別称)が負ければいい」といったものもあったが、中国とゆかりのある張本選手が出場する試合だからこそ、ここまでこの試合が注目されたことは明らかだった。

ジャーナリスト

なかじま・けい ジャーナリスト。著書は最新刊から順に「日本のなかの中国」「中国人が日本を買う理由」「いま中国人は中国をこう見る」(日経プレミア)、「中国人のお金の使い道」(PHP新書)、「中国人は見ている。」「日本の『中国人』社会」「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日経プレミア)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。主に中国を取材。

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