色々気になるスマホやパソコンの利用時間国際比較
スマホの利用時間は普及率がポイント!?
魅力度の高さからつい長時間使ってしまうスマートフォン。その熱中ぶりへの弊害が問題視されるほどだが、この利用時間の長さは日本だけのものだろうか。総務省の情報通信白書に掲載されていた調査「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究」の結果を基に、その実態を確認していく。
今調査の調査対象母集団は男女・10年区切りの年齢で均等割り当て(10代は16歳以上、50歳以上はひとまとめ)。各国とも1000人を対象としたインターネットアンケート調査によるもの。対象国は日本、アメリカ、イギリス、フランス、韓国、そしてシンガポール。
次に示すのは主要端末のアクセス時間。日本における携帯電話の私用での利用時間は一日平均で47.3分。若年層だけでなく中堅・シニア層まで含めているので妥当な線。
日本の自宅でのパソコンの利用時間は2時間強、タブレット型端末の利用時間は12分。タブレット型端末の時間の短さは、多分に普及率そのものの低さがネック。
これを諸外国と比較すると、パソコンは中ほどの順位だが、パソコン以外の項目では利用時間がかなり短い。タブレット型端末の件で顕著だが、日本ではスマートフォンの普及率の低さがそのまま携帯電話の利用時間の短さ、そしてパソコンの利用時間のそこそこの長さにつながっているようだ。スマートフォンの普及率がとりわけ高い韓国やシンガポールにおける携帯電話の利用時間の長さとパソコンの短さ、そして日本国内限定でもスマートフォン所有者に限ると韓国やシンガポールと同じような傾向を示していることが、その裏付けになる。
見方を変えるとパソコンや携帯電話の利用性向は、少なくとも今回取り上げられた諸外国ではさほど大きな違いは無く、むしろ各種端末の普及度合いに大きな違いが生じていることが分かる。同時に各国ともスマートフォンの普及に伴い、パソコンの利用(時間)の一部がスマートフォンにシフトしていることがうかがえる。
テレビや新聞は!?
スマートフォンやパソコンは上記の通りだが、新聞などの非デジタル系メディアはどのような違いがあるのだろうか。
日本では良く「テレビの観すぎ」と言われて子供が親に叱られる話を見聞きするが、諸外国と比較すると長くも無く短くも無く、むしろ欧米と比べれば短い方。また新聞や書籍の購読時間も短い。
興味深いのはテレビの視聴時間。上記にある通りスマートフォンの普及率が高く利用時間も長い韓国やシンガポールでは、テレビの視聴時間もそれに連動するかのように短い。そして日本も、スマートフォン所有者はそれに近い動きを示している。日本の各種調査ではテレビ番組とスマートフォンで利用するソーシャルメディアの連動性・親和性の高さが注目されているが、視聴時間の点では少なくともシェアの奪い合い的な関係にありそうだ。
一方で新聞や書籍の購読時間は、日本では概して低め。スマートフォン所有者はさらに低い傾向にある。今回取り上げた国の中での限定ではあるが、日本は他国と比べて紙媒体離れが進んでいるようではある。
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