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「東京五輪ボランティアユニフォームだ」とかぶる傘をつけたコラ画像のデマ、2万件以上拡散

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
物議をかもしている「かぶる傘」。東京都発表資料より

 「東京五輪のボランティアはこんなスタイルでやらされるらしい」と、暑さ対策として小池都知事が先日発表した「かぶる傘」をつけたコラ画像が出回っています。

 問題のツイートはすでに26,000件以上もリツイートされており、ユニフォームに対して「六地蔵だ」、「罰ゲームかよ」といった批判コメントも出ていますが、デマです。

ユニフォームは東京都観光ボランティアのもの

 コラ画像の元ネタは2017年に発表された東京都観光ボランティアの新ユニフォームです。

『トラベル Watch』に掲載されている画像の元ネタと思われる写真。筆者キャプチャ
『トラベル Watch』に掲載されている画像の元ネタと思われる写真。筆者キャプチャ

 おそらく写真は『トラベル Watch』に掲載されているものを流用したのだと思われます。

拡散した背景は「かぶる傘」の炎上?

 このコラ画像がここまで拡散される事態になった理由のひとつとして、小池都知事が5月24日に発表した「かぶる傘」への批判が挙げられます。

「かぶる傘」。小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年5月24日)より。筆者キャプチャ
「かぶる傘」。小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和元年5月24日)より。筆者キャプチャ

 「かぶる傘」のデザインが一般的に使われている傘と異なるため受け入れられづらいほか、市販されている釣り用の傘と見た目がほぼ同じなのも炎上している原因のひとつです(会見ではゴルフや釣り、農業で利用されているとの説明があった)。

 ただ、すでに市販されているものを「試作品だ」として公開し、それが報道されたことからパクリや税金の無駄遣いといった批判が出ています。

 こうした背景から「もしもかぶる傘がユニフォームに採用されたら?」との考えで今回のコラ画像が作られ、そして出回ったのだと思われます。

 現時点で「かぶる傘」は東京ブランド「Tokyo Tokyo」のグッズとして考えられており、東京五輪ボランティアのユニフォームとして発表されたわけではありません。コラ画像に踊らされないよう気をつけてください。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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