NY金24日:米GDPの上方改定を受けて4営業日続落
COMEX金8月限 前日比比3.70ドル安
始値 1,177.60ドル
高値 1,179.70ドル
安値 1,168.10ドル
終値 1,172.90ドル
米経済の底固さが再確認されたことが嫌気され、続落した。
アジアタイムは1,170ドル台中盤から後半で揉み合う展開になったが、1~3月期の米国内総生産(GDP)確定値が、改定値の前期比年率-0.7%から-0.2%まで上方改定されたことが、金市場ではネガティブ材料視されている。マイナス成長状態には変化がないものの、従来想定されていた程には1~3月期の米経済が大きく落ち込んでいなかったとの見方が示されたことが、年末に向けての景気改善に対する自信につながっている。あくまでも過去の統計に過ぎないが、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策正常プロセスのペースにマーケットの関心が集まる中、利上げ着手時期の前倒し、その後の追加利上げのペース加速のリスクが、金価格を下押ししている。引けにかけてはやや下げ幅を削ったが、4営業日続落となっている。
ギリシャ債務問題に関しては、債権団側がギリシャの提出した改革案に対して、大幅な修正を要求した。構造改革よりも増税に偏りがみられることで、債務圧縮という抜本改革には足りないと判断した模様だ。これを受けて、ギリシャ債務問題での合意が本当に可能なのか疑問視する声が上がっていることが、ニューヨークタイム後半の金価格をサポートした模様。改めて本格的にリスクプレミアムを織り込むような動きまでは見られなかったが、なおギリシャ問題に対する警戒感は残されている。ユーロ圏グループは本日に続き25日も協議を予定しており、ここで最終合意に向けての道筋を描くことができるかに注目したい。
月末・四半期末・半期末を控えて瞬間的に荒れた相場展開となるリスクもあるが、このままギリシャリスクが収束に向かうのであれば、米金融政策の正常化プロセスが改めて金相場の上値を圧迫する可能性が高い。200日移動平均線を前に戻り高値を確認しており、再び4月から続くボックス下限を試す展開に。今後も米指標を確認しつつ、コアレンジ切り下げを打診する展開となろう。昨年11月と今年3月に押し目を確認している1,150ドル割れが次のターゲットになる。