【入間市】入間市内の大正レトロを探す小さな旅。「大正レトロdeこけーら散歩」が開催されました。
入間市の歴史遺産を巡る「大正レトロdeこけーら散歩」が、2024年5月18日(土)に開催されました。
「大正レトロdeこけーら散歩」は、大正レトロな装いや日本の伝統美である和装姿で大正時代の面影を残す歴史的な建造物を巡るというタイムトリップなお散歩です。
主催の入間市の文化遺産をいかす会の方によりますと、今回のお散歩は普段は一般公開されていないレアな場所にも連れて行ってくださるとのこと!
これは参加者の皆さんのテンションも上がりますね。
今回のお散歩のスタート地は「旧石川組製糸西洋館」です。
西洋館は石川組製糸の創業者である石川幾太郎が迎賓館として1921年に上棟した洋風の建造物で、国登録有形文化財にもなっています。様々なロケに使われているので、皆さんも一度は目にしかことがあるかもしれませんね。
このお散歩ではガイドさんがついて、建造物や歴史的に価値の高いものについて様々なことを教えてくれます。
ガイドさんによると、この西洋館での一番の見所は「ステンドグラス」なのだそう。
こちらのステンドグラスは、右からお茶(菊)・竹・蘭・梅が描かれているんですって。光が差し込んできて、とっても美しい絵が浮かび上がっていますね。
さぁ。次の目的地「日本キリスト教団武蔵豊岡教会」へと向かいましょう。
そうそう。このイベントの名前にもなっている「こけーら」は、入間市の方言で「このあたり」という意味なんですよ。今回のお散歩は入間市の黒須地区を巡るコースなので、まさに「こけーら」です。
こちらの教会は石川幾太郎が建築費の約半分と1000坪の土地を寄贈し建立されました。
この教会を設計したのはアメリカ人宣教師で建築家であるウィリアム・メレル・ヴォーリズです。
日本を愛するヴォーリズならではの和洋折衷の美しい木造教会建築となっていて、1923年に献堂されました。
また、国道16号線拡幅のために2014年に曳家をし、外観は一新されましたが内観は献堂された時と変わらぬ姿のままです。教会のシンボルでもある「AΩ(アルファ・オメガ)」のレリーフも掲げられていますよ。
それでは、次の目的地「繁田醤油西山荘ストリート」へと向かいましょう。
繁田醤油の創業は1812年です。繁田醤油は江戸時代から200年もの間、醤油の醸造を行ってきました。入間市の都市化が進むことで、醤油づくりが困難になり現在は地方で生産されています。
西山荘はこの地にあった迎賓館の名称です。
こちらの西山荘ストリートは一般公開されていません。参加者の皆さんは「すごいねぇ! このお散歩に来なかったら入れなかったんだね。」と大喜びです。
西山荘ストリートには蔵があり、今回は特別に蔵の中を見学させていただけるとのことで参加者の皆さんのテンションはマックスに!
ガイドさんに様々なことを教えてもらったり、お写真を撮ったりと大忙しです(笑)。
大きな樽があります。当時はこの大きな樽でお醤油を醸造していたんですね。
今回参加された方々にお話を伺うと「私たちは都内から初めて入間市に来たのですが、数十分でこんなにレトロな雰囲気の場所に来られるなんて嬉しいです。ガイドさんが詳しく説明してくれるので、ありがたいです!」
「SNSでこのお散歩を知りました。古建物がお着物が大好きなのですが、入間市には素晴らしい場所が残っているんですね。」と仰っていました。
筆者はドイツから留学してきたという、和装がとってもお似合いのカップルとも出会いました。
お話を伺ってみると「入間市は古き良きものを大切にしている素晴らしい地域ですね。こんなに素敵な体験ができるなんて思ってもみませんでした。」と仰っていました。
さて。今回のお散歩のラストは「繁田本家長屋門」です。この門には1866年の武州世直し一揆で打ちこわしの被害にあっていて、当時の傷が多く残っています。
江戸時代に作られたという立派な門は、江戸時代に代々主役をつとめた豪農商である繁田家の本家が所有しています。
繁田本家の繁田進さんによりますと、この一揆では、現在の飯能市名栗方面から多くの民衆が鍬や鎌などを持って押し寄せたのだそう。
その際、このような傷が残ったのですって。こんなにも歴史的価値のある門が入間市に存在するとは驚きました。
今回の「大正レトロdeこけーら散歩」で、入間市には大正レトロを感じられる素敵な場所がたくさんあることが分かりました! また、ぜひ貴重な体験と素敵な時間が過ごせる「大正レトロdeこけーら散歩」が開催されますように。
▼旧石川組製糸西洋館▼
住所:入間市河原町13-13
電話:04-2934-7711
公開時間:10:00~16:00(入館は15:30まで)
※公開日は不定期です。日程はホームページでご確認ください。
料金:一般 1人200円(20人以上の団体 1人160円)中学生以下 無料
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳または療育手帳をご持参の方および、その介護者(障害者1人に対し1人まで) 無料
※各種優待・割引制度あり