Yahoo!ニュース

数秒で差がつく?非言語的要素の与える面接での印象

末永雄大アクシス株式会社代表取締役兼キャリアコンサルタント
(提供:イメージマート)

こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永雄大です。

中途の人材採用支援をしつつ、月60万人以上の読者を持つ「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、Yahoo!ニュースでは2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。

8月に入り、さらに暑さが厳しくなってきました。外にいるだけで汗が滝のように流れてくるような毎日の暑さの影響で、今年になり日傘をさす男性が以前よりも多く見られるように感じます。

日本全域で記録的な猛暑がつづくなか、日傘を差す男性の姿を多くみかけるようになった。かつては少数派だった「男の日傘」は、ここ最近は完全に市民権を得たようにみえる。(中略)「今までは、男が日傘なんてというネガティブなイメージがあったのかもしれませんが、逆に今は健康に気を使っている、熱中症対策をしているというポジティブなメッセージになっているように思います。汗だくになって、取引先へ行くのはちょっと恥ずかしいですよね。スーツで帽子をかぶるわけにもいかないですし、日傘はビジネスシーンにもなじんできたと思います。(略)」

https://news.yahoo.co.jp/articles/1e26486b2849c03de01102ceacb2454b12d7461f

日傘をさすことは、暑さ対策だけでなく、「汗だくで取引先に行くのは…」というようにビジネスシーンにおけるマナー的な部分においても有効に利用されているようです。

実際、人の印象は最初の数秒で決まるともいわれるため、こうした身だしなみに関するものも、印象を決定づける一つの要因であるといえます。

ここでは、面接という場面での人の印象について考えていきたいと思います。

印象は見た目で決まるのは本当?

社会人は身だしなみが重要であるという注意とともに、「人は見た目が9割」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。これは、メラビアンの法則という心理学上の法則がもとになっており、人がコミュニケーションを図る際に影響を与える情報の割合が、「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」であることを示したものです。

言語情報とは、話の内容や発された言葉そのものを指します。メールや手紙などの文章などもこれにあたり、明確かつ完結に事実を伝えることができる反面、表情や声のトーン・身振り手振り等の他の情報が一切ないという状況なので、うまく言葉を選ばないと異なったニュアンスで受け取られる可能性もあり、認識に違いが生まれることもあり得ます。

そして非言語コミュニケーションである聴覚情報とは、声のトーンや強弱・口調などを指し、視覚情報とは、表情や視線の動き・立ち居振舞いのことです。例えば、声の震えで緊張が伝わったり、荒い口調や大きな声で怒っていることが分かったり、笑顔でいることで「楽しい」こと・涙を流すことで「悲しい」ことが言葉単体の場合よりも強く感じられます。

こうした非言語コミュニケーションが人の印象を決定したり、コミュニケーションを取る中で伝わるものの9割以上を占めるということになります。

面接において、より自分の伝えたいことを相手に知ってもらう為に、これらのバランスが大切になってきます。

例えば、面接する中で「自分は〇〇に自信があります!」という話をしているのに、弱々しい声でうつむきながらだと、どこか話している内容がちぐはぐに感じられます。そうしたときに優先されるのが視覚情報や聴覚情報となるため、本当に伝えたいと思っている話の内容が相手に伝わらない可能性があるということです。

非言語コミュニケーションを味方につける

面接では、動機や自己PRといった話す内容をきっちりとまとめて文章を考えて挑むという人も少なくないと思います。しかし、実際には非言語的な部分から多くの情報を相手は受け取っており、言葉や話す内容だけでなく、身体の動きや表情からも印象や人柄を評価しているため、話す内容が満点であっても、他の部分でマイナスに働くこともあるかもしれません。

たとえきっちりまとめた文章を暗記したとしても、思い出すような視線の動きであったり、「えー」「あの」といったつなぎ言葉が増えたりしてしまってはイメージダウンになりかねません。

反対に、非言語コミュニケーションも味方につければ、自分の魅力を最大限伝えるための後押しとなったり、ポジティブなイメージをより深く植えつける根拠ともなりえます。

自分のアピールポイントを話す際に、まっすぐ相手の目を見てハキハキと話すことで、自信があるという姿勢がより伝わり、自分の伝えたいことと実際に伝わることとの不一致も起こりにくくなるのではないかと思います。

また、履歴書などの文字からの情報ではたった7%しか伝えられないことが、実際に面接で話すことで100%になると考えることもできるため、やはり、自分が話す姿が相手からどう見えているかを理解しておくことも重要となります。

自分が話す姿を撮影して確認することで、人からどう見えているのかの理解と、自分の姿勢の改善をする事ができます。それによって、自信をつけた状態で面接を迎えることができ、それは緊張する面接当日にも、自信がリラックスできる要素となるのではないでしょうか。

ここで注意すべきは、非言語コミュニケーションの与える影響が大きいからといって、話す内容は適当でいいわけではないということです。まずは十分な内容ありきでさらにその内容を裏付ける要素が非言語コミュニケーションであり、単体で発揮されるものではありません。

拡大解釈しすぎずに、プラスアルファのものとして活かすと良いでしょう。

まとめ

面接では、「見た目が9割」と言うように、視覚情報と聴覚情報が非常に重要となります。自信を持って相手に伝えるためには、言葉だけでなく、視覚や聴覚からの印象にも気を配る必要があり、自分がどのように見えているかを確認し、改善することも重要です。内容の準備と非言語的な要素をバランスよく活かすことが、面接の成功につながります。

アクシス株式会社代表取締役兼キャリアコンサルタント

青山学院大学法学部卒。新卒でリクルートキャリア(旧リクルートエージェント)入社。 リクルーティングアドバイザーとして様々な業界・企業の採用支援に携わる。東京市場開発部・京都支社にて事業部MVP/西日本エリアマーケットMVP等6回受賞。その後サイバーエージェントにてアカウントプランナーとして最大手クライアントを担当し、 インターネットを活用した集客支援を行う。2011年にヘッドハンター・キャリアコンサルタントとして独立。2012年アクシス株式会社を設立。代表取締役に就任。キャリアコンサルタントとして転職支援を行いながら、インターネットビジネスの事業開発や社外での講演活動等、多岐にわたり活躍する。

末永雄大の最近の記事