NY金30日:大幅続落、良好な米雇用指標で利上げ警戒
COMEX金12月限 前日比11.60ドル安
始値 1,131.40ドル
高値 1,134.30ドル
安値 1,123.50ドル
終値 1,126.80ドル
良好な米指標を受けて早期利上げ警戒が一段と強まる中、続落した。
アジア・欧州タイムは1,120ドル台中盤でやや戻り売り優勢の地合に留まったが、ニューヨークタイム入りしてから一気に値位置を切り下げている。今週は10月2日に米労働省から9月雇用統計の発表を控えているが、その先行指標となる9月ADP雇用統計が強めの数値になったことが、ネガティブ材料視されている。9月ADP雇用統計での民間雇用者数は前月比+20.0万人となり、前月の+18.6万人、市場予測の+19.0万人をともに上回っている。サプライズとなる程に良好な数値ではないが、中国経済減速の大きな影響を感じさせない数値であり、十分に利上げ着手が正当化できる内容と評価されている。労働省の統計でもこの流れが維持されれば、10月27~28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ着手が合意される可能性も否定しきれず、ドル高連動で金相場は下値模索の展開になっている。
9月はFOMCでの利上げ見送りで年内利上げを疑問視する声も高まっていたが、その後の当局者から相次ぐ年内利上げ見通しを確認する発言、更には良好な米指標を受けて、改めて利上げリスクの織り込みを迫られている。明日の9月ISM製造業指数、そして週末の9月雇用統計を受けて、利上げ着手に対する信認を一段と強めるような動きが見られるかが焦点に。このまま利上げ警戒の流れが続けば、1,100ドルの節目割れからの一段安対応を迫られよう。
なお、中国人民銀行は8月末時点の金準備高が前月末から16.17トン増加していたことを明らかにした。7月の+18.97トンに続き、着実に金準備を積み増していることが確認できる。ただ、こうした動きは予測済みとの見方が強く、マーケットの反応は限定されている。米国債売却の一方で金準備の積み増しが続いていることは興味深いが、サプライズとは評価されていない。