一塁手とDHを加え、このチームの打線は一気にパワーアップするのか。2人合わせて通算339本塁打
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今月、ピッツバーグ・パイレーツは、一塁手とDHをチームに加えた。マイナーリーガーの投手と交換に、タンパベイ・レイズからジマン・チェを獲得したのに続き、FAのカルロス・サンタナを迎え入れた。サンタナとの契約は、まだ正式な発表は出ていない。ESPNのジェフ・パッサンは1年670万ドル、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンは1年672万5000ドルと報じている。
彼らは、一塁手とDHとしてラインナップに並ぶか、あるいはその両方を交互に務めることになるはずだ。
今シーズンのホームランは、チェが11本、サンタナは19本なので、2人合わせて30本に過ぎない。それぞれのシーズン最多を合計しても、60本未満の53本だ。チェは2019年の19本、サンタナは2016年と2019年の34本が最も多い。通算本塁打は、2人合わせて339本。7シーズンで61本と13シーズンで278本だ。
ただ、今シーズン、パイレーツで一塁手とDHとして出場した選手が打ったホームランは、17本+20本=37本だった。来シーズン、チェとサンタナの合計本数は、それを上回ってもおかしくない。
また、パワーはそれほど期待できないにしても、チェとサンタナは、どちらも選球眼に優れている。チェのシーズン四球率は、ここ4シーズンとも13%以上だ。サンタナは、メジャーリーグ1年目の2010年から13シーズン続けて四球率13%を下回ったことがなく、2017年と2021年以外の11シーズンは14%以上を記録している。
今シーズンのパイレーツは、一塁手の四球率が7.2%、DHは11.0%。合算すると9.1%だ。ホームランと違い、チェとサンタナの加入は、四球率の大幅なアップとなるに違いない。さらに、左打者のチェとスイッチ・ヒッターのサンタナは、内野の極端な守備シフトが禁止される「恩恵」も受けるだろう。
もっとも、パイレーツの再建は、まだゴールが見えていない。2013~15年に3年続けてワイルドカードを手にした後、7年続けてポストシーズンから遠ざかり、ここ2年はいずれも100敗以上を喫している。チェとサンタナは、再建完了までの「つなぎ」という要素が強い。サンタナと同じく、チェも来シーズン終了後にFAとなる。
彼らが頻繁に出塁しても、パイレーツがポストシーズンにたどり着く可能性は高くない。だが、チェとサンタナのどちらも、夏のトレードで移籍し、ポストシーズンに出場することはあり得そうだ。