麻酔の準備と手術への安心感

いよいよ手術の日がやってきました。前回、緊急手術を経験していた私は、あの時の緊張感が今でも鮮明に思い出されます。

しかし、今回は準備が整っているので、心の中で「今度は大丈夫」と自分に言い聞かせていました。

さらに今回の手術は、前回よりもスムーズに進むことが予測されたので、今回も意識がある状態で手術することになりました。

手術部位の準備は万全に行われ、手術を担当する医師たちも落ち着いた表情で私に説明をしてくれます。

前の時のように、うつぶせになりお尻を持ち上げられた状態で手術の準備は進められます。

もともと、硬膜外麻酔というチューブから持続注入される痛み止めを活用していたので、それを使って手術を進めることになりました。

さらに、麻酔科医によるブロック麻酔や局所麻酔も追加され、意識下とはいえ万全な状態で手術は開始となりました。

前回の手術の経験があることで、どんな流れで進むのかがわかっており、手術に対する不安はかなり軽減されていました。

今回は自分の体調や手術の流れをある程度理解しているので、前回のような不安感は少なく、冷静に臨むことができました。

医師や看護師たちも前回とは違って穏やかな表情で、手術中は和気あいあいとしながら穏やかに進められたのです。

手術が進行する中での器械の音は少しドキドキ感を煽りましたが、何よりも「これで終わればいいな」という思いがあり、心の中で小さな希望が芽生えてきました。

あとは、医師たちに身を任せるのみでした。

帰室後、主人の支え

手術を無事に終え、病室に入ると主人が待っていてくれました。その姿を見た瞬間、心から安心しました。

無事に終わることは予想していましたが、主人の存在が私にとってどれほど大きな支えであるか、改めて実感したのです。

主人は、私が無事に笑顔で戻ってきたのを見て、ほっとした表情を浮かべました。

手術前は私が抱えていた不安を一緒に感じ、回復を心から願ってくれていたことを改めて感じました。

仕事で疲れているはずなのに、私が安心するために側にいてくれるその優しさが、私の心を癒してくれました。

1ヶ月ぶりの再会と成長した息子、義母が息子を連れてきてくれた

手術から数日が過ぎ心身ともに少しずつ回復してきた頃、義母が息子を連れてきてくれました。

自分のことで精一杯だったので、気が付けばあっという間に産後1カ月がたっていたのです。

この1ヶ月間、息子は義理の実家で面倒を見てもらっていました。

私は当然ですが育児には参加できず、主人も仕事がありました。実母は遠方に住んでいたため、義母だけが頼り...

申し訳なく思いながらも、他に対処法が見つからなかったので生まれたばかりの息子のお世話をお願いしていたのです。

写真や動画では息子の様子を見ていましたが、実際に息子と対面するのは1カ月ぶり...

1ヶ月ぶりに息子と再会した瞬間、彼が一回り以上大きくなっているのに驚きました。体つきがしっかりとして、目元が少し変わったように感じます。

成長の速さに驚き、嬉しい気持ちと共に、少し寂しいような気持ちも湧いてきました。

あの時の小さな赤ちゃんが、こんなにも成長しているなんて。成長を見逃してしまったことが、少しだけ寂しさを感じさせますが、それでも再会できたことが何よりも嬉しい瞬間でした。

息子を1ヶ月ぶりに抱きしめた瞬間、言葉では言い表せないほど嬉しくて、涙が止まりませんでした。

こんなにも長い間会えなかったことが、どれほど辛かったのかを改めて実感します。息子が元気に育っていることを感じ、私の体調が少しずつ回復していく中で、息子との再会がどれだけ重要だったかを改めて思い知らされました。

18話に続く