尿路感染の回復・2回目の手術決定

尿路感染が回復してきたのを見計らい、主治医から追加の手術の打診がありました。

入院生活が続く中で、少しずつ体調が戻り、主治医の表情にも安心感が漂っています。

前回の手術が急遽の閉鎖術であったため、直腸内に残渣物があったことから、感染の可能性を否定できず、膿が生じるリスクもあったことを思い返すと、なんだかんだと直腸膣ろうの状態は良好な経過をたどっていると言えそうです。

尿路感染というトラブルがあったものの、無事に一騒動を乗り越えた実感があったため、私自身は随分と前向きになっていました。

これまでの辛い思いが少しずつ和らぎ、未来への道筋が見えてきたように感じます。

そんな心境の中で、私は主人に相談することもなく「はい！やります！」と返答してしまいました。

この決断が正しいのかどうかはわかりませんでしたが、直感がそう告げているのです。「今が手術を受けるタイミングだ」と強く感じていました。

再手術は週明けの翌月曜日に決定しました。

主人への報告

その後、夜の主人の面会時間がやってきました。

彼が部屋に入ってくると、漫画を読んでいる私を見て、少し顔がほころんだのを覚えています。

私がけらけらと笑うと、主人が目を細めて心より安堵した表情を見せました。

その顔を見て、彼にひどく心配をかけていたことを、心から反省するのでした…。

少し気まずい空気が流れました。

少しの沈黙の後、私は彼に昼間に追加の手術を承諾したことを伝えました。

「今日、手術を受けることに決めた」と言うと、彼は一瞬驚いた表情を浮かべましたが、すぐに優しい目で私を見つめ返しました。

「本当に大丈夫なの？」と彼が尋ねると、私は「うん、今がやるべき時だと思う」と答えました。

彼の心配の気持ちを理解しつつ、私自身の決断に自信を持っていました。「あなたがいるから、大丈夫だよ」と心の中で思いながら、彼の支えに心から感謝したのでした。

手術の準備と不安、主人の支え

手術に向けての準備が進む中で、少しずつ緊張感が高まっていきます。

主人はそんな私を励まし続けました。「結果にはこだわらず、今できることをやれるようにしよう」と、次の手術での完治が得られなくても大丈夫と暗喩した励ましをしてくれました。

手術の前夜、主人は一緒にテレビを見たり、会話を楽しんだりすることで、私の気持ちを少しでも軽くしようとしてくれました。そんなひとときが私の心を癒し、手術に向けての不安を和らげてくれました。

いよいよ2回目の手術当日。これまでの苦しみや不安を乗り越え、新たな手術を通じて回復への一歩を踏み出すことができるかもしれない。そんな希望を胸に抱きながら、手術の準備を整えます。

今回は手術が終わるまで主人が付き添ってくれることとなりました。

主人と共にこの新たな挑戦を乗り越え、より良い未来を築いていくことを心に誓ったのでした。

17話に続く