原爆ミームに「忘れられない夏になりそう」と映画『バービー』海外公式が投稿して炎上。日本公式が謝罪
映画『バービー』の海外公式『X(Twitter)』アカウントが、原爆投下と同作をかけ合わせたファンアートに「忘れられない夏になりそう」とハートマーク付きで投稿して日本のユーザーから批判が殺到した件について、日本の公式アカウントが謝罪文を発表しました。
バービーと原爆をかけ合わせたネットミーム「#BARBENHEIMER」が海外で盛り上がる
この問題は映画『バービー』と『オッペンハイマー』のアメリカでの同日公開を受け、キャラクターのバービーと原爆をかけ合わせるネットミーム「#BARBENHEIMER」が誕生したことから始まります。
「#BARBENHEIMER」ではきのこ雲を背景にバービーとオッペンハイマーが記念撮影をしたり、バービーのヘアスタイルがきのこ雲になったりしているファンアートが多数投稿されました。
これだけであれば一般人による無自覚な差別でおわったのですが、問題はこれに映画『バービー』公式アカウントが肯定するような反応をしてしまったことです。
複数の原爆ファンアートに「忘れられない夏になりそう」などと返信
大きく騒がれているのは2つの返信で、1つはバービーの髪型がきのこ雲になっているものに対して、「ケン(バービーの恋人)はスタイリストですね」と投稿したもの。
もう1つは燃え盛るヤシの木を背景にしたバービーとオッペンハイマーのファンアートで、これに対してキスの絵文字とハートマーク付きで「忘れられない夏になりそう」と投稿したものです。
これらの返信について「8月6日、9日に投稿された原爆をネタにしたファンアートに『忘れられない夏になりそう』とは、意味がわかって投稿しているのか?」と日本のユーザーが強く反発し、炎上状態となりました。
「アメリカ本社に然るべき対応を求めています」と日本公式アカウントが謝罪と状況説明
こうした反応を受けて、映画『バービー』の配給元であるワーナー・ブラザース・ジャパン合同会社が「配慮に欠けた一連の反応について、不快な思いをされた方々には、お詫び申し上げます」と文章で謝罪。
あわせて「アメリカ本社の公式アカウントの配慮に欠けた反応は、極めて遺憾なものと考えており、この事態を重く受け止め、アメリカ本社に然るべき対応を求めています」と本社に対して対応を求めていることも発表しました。
ワーナー ブラザース ジャパン合同会社による謝罪文 書き起こし
繰り返される戦勝国からの敗戦国への差別に抗議の声を
今回の件で思い返されたのは、ディズニー公式Twitterアカウントが2015年8月9日に「なんでもない日おめでとう。」と投稿し、炎上した事例です。
憎悪感情を煽るわけではありませんが、やはりアメリカ国民から見て第二次世界大戦当時の日本への原爆投下は戦争に勝つための正しい行為であり、その結果として多くの民間人が犠牲になっていることは頭にないのだなと思いました。
おそらくは今後もこうした心ない発言が繰り返されるのでしょうが、原爆が投下された側である日本人としては今回のように抗議の声を挙げ続けることが重要だと考えます。