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静岡県 長い時間にわたって強く降る雨に警戒を

伊藤麻衣気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
(写真:アフロ)

土砂災害の危険度が高くなってきている

降り始めからの雨の量が150ミリを超えて、すでに土砂災害の危険度が高いところが出てきました。西部や中部の内陸の地域で赤色、警戒レベルとなっています。

午後9時までの24時間雨量(提供:ウェザーマップ)
午後9時までの24時間雨量(提供:ウェザーマップ)
土砂災害危険度分布(提供:ウェザーマップ)
土砂災害危険度分布(提供:ウェザーマップ)

最新の土砂災害危険度分布はこちらをご覧ください。

出典:気象庁HP

今後の雨は

時系列予報(提供:ウェザーマップ)
時系列予報(提供:ウェザーマップ)

雨のピークは7月1日の昼頃までです。特に南西の風がぶつかる山沿いで1時間に70ミリの非常に激しい雨の降るところがありそうです。しかも同じようなところで長い時間活発な雨雲がかかる可能性があります。竜巻のような激しい突風にもお気をつけください。

雨が止むのは木曜日に日付が変わってからでしょう。

予想される雨の量は、7月1日夕方までの多いところで400ミリです。すでに100ミリを超える大雨になっているところがありますが、さらに400ミリが予想されています。崖や斜面の近くに住んでいる方は土砂災害に警戒です。

400ミリ降るのは山が中心ですが、平地でもこの半分以上が降る可能性があります。低い土地は浸水にもお気を付けください。

予想雨量400ミリが意味することは

雨が多い静岡県でも400ミリの雨はなかなか出ません。去年同じくらい雨が降った事例としては、台風15号があります。この時は伊豆を中心に大雨となり、一番多い天城山で440ミリが観測されました。倒木で道路がふさがったり、土砂崩れで川がせき止められ、田畑が冠水するなどの被害が出ました。

2019年9月 台風15号の総雨量(気象庁HPより)
2019年9月 台風15号の総雨量(気象庁HPより)

今回はこの時以上の雨が降る可能性があります。斜面から離れたり、高い場所で過ごすなど、できるだけ安全な場所で過ごすようにしてください。

大雨の原因は「低気圧の動きが遅い」こと

今回の大雨の原因は低気圧の動きが遅いということです。

6月30日午前9時の天気図(提供:ウェザーマップ)
6月30日午前9時の天気図(提供:ウェザーマップ)
7月1日午前9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)
7月1日午前9時の予想天気図(提供:ウェザーマップ)

6月30日午前9時と7月1日午前9時のオレンジ色の低気圧に注目すると、ほとんど位置が動いていません。東の高気圧がブロックしていて、流れが止まっています。

低気圧は反時計回りに風が流れているので、低気圧の東側にあたる静岡県には長い時間にわたって南西の風が流れ込み続けます。ずっと同じ場所に発達した雨雲がかかり続け、雨の量が多くなりそうです。

金曜日再び雨が強まる可能性

今後の雨について触れたように、今回の雨は一旦木曜日にやみそうです。ただし金曜日以降雨が再び降りやすく、雨が強まる可能性があります。一旦雨がやんでも地面の水分がすぐに抜けていくわけではありません。今回の雨で崩れなかった崖や斜面が金曜日の雨で崩れる可能性もあります。金曜日以降も雨の降り方に注意が必要になりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

静岡県御前崎市出身。2011年に気象予報士資格を取得。2014年にNHK広島放送局で気象キャスターをはじめ、2017年からは地元のNHK静岡で気象キャスターを務める。たっぷり静岡(平日・午後6時10分~)に出演。地域に根ざした天気や、天気というフィルターを通すと気づく静岡の魅力をお伝えします。

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