米ツアーの新日程発表。全米プロは5月へ。プレーオフは3試合へ。
米ツアーの来季(2018-19シーズン)スケジュールが早くも発表され、大幅な変更点をいくつか含んでいるため、大きな注目を集めている。
【メジャー4大会の開催順序と時期】
最も目を引くのは、メジャー4大会の開催の順序と時期が変わること。
今季までは、マスターズが4月、全米オープンが6月、全英オープンが7月、全米プロが8月に開催され、「第5のメジャー」と謡われるプレーヤーズ選手権は、マスターズと全米オープンの間の5月が開催時期とされてきた。
だが、来季からは、まず3月にプレーヤーズ選手権が行なわれ、マスターズが4月、そして全米プロが5月に動き、全米オープンが6月、全英オープンが7月という具合にメジャー4大会が4月から7月まで毎月開催される。
また、マスターズ以外のメジャー開催コースは全米プロがニューヨーク州のべスページ(同大会は初開催)、全米オープンは創立100周年を迎えるペブルビーチ(カリフォルニア州)になる。全英オープンはロイヤル・ポートラッシュで、北アイルランドでの開催はほぼ70年ぶりとなる。
【世界選手権】
WGC(世界選手権)は、HSBCチャンピオンズ、メキシコ選手権、デル・マッチプレー選手権に関しては従来通りの開催となる。
変更になるのは、今季まで8月にファイアストン(オハイオ州アクロン)で開催されるブリヂストン招待が、来季からはフェデックス・セント・ジュード招待の大会名に変わること。開催時期はメジャー4大会がすべて終了した後の7月下旬。タイトルスポンサーであるフェデックス社の本拠地、テネシー州メンフィスのTPCサウスウインドが新しい戦いの舞台になる。
【プレーオフ・シリーズが3試合へ】
レギュラーシーズン終了後、今季まではフェデックスカップのプレーオフ・シリーズ4試合が8月から9月に渡って行なわれるが、来季からは3試合(ノーザントラスト、BMW選手権、ツアー選手権)に減り、8月末まででシーズンの全日程が終了する。
これまではシーズンとシーズンの間がほとんどない過密スケジュールで、新シーズンを迎えたという感覚が選手にもファンにもあまり感じられなかった。が、来季からはツアーとしてのスケジュールは9月がオフになるため、リフレッシュや気持ちの切り替えができ、メリハリも出る。
【新大会は2つ。惜しまない努力と工夫】
来季から新しい大会が2つ誕生する。6月に開催されるロケット・モルゲージ・クラシック(デトロイト・ゴルフクラブ)は、史上初めてミシガン州デトロイトで開かれる米ツアー大会となる。
その翌週(7月第1週)の3Mオープンはミネソタ州ブレインのTPCツイン・シティズが舞台になる。
新シーズンのスケジュールは、できる限り、試合開催を凝縮し、短期決戦型に変えることが目的である。
ビッグ大会、メジャー大会の開催時期も同様に短期集中型へ変えることで、ファンの興味関心も集中させることができると考えられている。
さらに、短期に凝縮させれば、選手や関係者、メディアなどの移動や滞在、あるいは試合開催のための必要経費も大幅に節減できる。
賞金を含め、多くの面で右肩上がりの成長を続けている米ツアーだが、それでもあらゆる努力と工夫を惜しまない。新スケジュールは、そんな米ツアーの姿勢の表れの1つと言えそうである。