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NY原油2日:米リグ稼動数の減少続き、反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油11月限 前日比0.80ドル高

始値 45.07ドル

高値 45.81ドル

安値 43.97ドル

終値 45.54ドル

米石油リグ稼動数の減少傾向が続く中、反発した。

ベーカー・ヒューズ社発表の米石油リグ稼動数が前週比-26基の614基と大きく減少したことが材料視され、安値是正の動きが優勢になっている。原油相場は膠着化しているが、米国でシェールオイル生産環境の悪化が確認されていることが、原油安是正の動きに直結している。既に米国でシェールオイル生産は鈍化傾向にあるものの、その流れが継続中であることが確認されたことが、素直にポジティブ材料として評価されている。

一方で、9月米雇用統計は中国など世界経済の鈍化が米経済にも波及しているリスクを高めており、原油需要見通しに対してはネガティブ。特にニューヨークタイム序盤には株価が急落したことが、原油相場を大きく押し下げるような場面も見られた。もっとも、米指標の悪化は米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手時期を先送りさせるという意味ではリスク資産にポジティブであり、取引後半には株価の安値是正の動きと連動して、原油相場も地合を引き締めた。

米国でシェールオイルに対する減産圧力が継続する中、原油相場の急落リスクは後退している。現行価格でも日柄を消化していけば、過剰供給解消の目処が立つ可能性も浮上してきているためだ。しかし、これはあくまでも原油相場が一時40ドル割れの急落となった反動であり、再び原油相場が50ドル台回復から一段高を試すような動きを見せれば、シェールオイルは再び増産圧力を強めるのが必至である。その意味では、原油相場の本格反発はなお時期尚早であり、シェールオイル減産などを手掛かりに急伸する場面がみられても、一時的な戻り圧力に留まる可能性が高い。

ただ、40ドル水準ではシェールオイル全体では対応不可能なことが確認される中、仮に40ドル台を割り込んでも大きな下落余地は想定できない。引き続き、安値低迷をメインシナリオに若干の下振れリスクを残した相場展開が続く見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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