台風21号、太平洋における今年最強勢力まで発達か
台風21号の中心気圧は915hPaまで下がりました。1日(土)には905hPaまで降下し、今年太平洋で発生した台風やハリケーンの中で最強の強さとなる可能性があります。
来週4日(火)から5日(水)にかけては日本に上陸・最接近する見込みで、地域によってはこれまでに経験したことのないような勢力となる可能性もありそうです。
台風21号の今後
31日(金)18時時点の台風の中心気圧は915hPa、最大風速は秒速55メートルで「猛烈な」勢力となっています。これは同じく今年915hPaまで発達した3号や8号と並ぶ強さです。
1日(土)未明には905hPaまで降下して、今年太平洋で発生した台風やハリケーンの中で最強の勢力になる可能性があります。
その後21号は、海水温が周囲と比べ1℃ほど低い海面を北上します。この海域は先日の台風20号の通過により、海水がかき混ぜられて温度が下がっているのです。このため21号は、2日(日)にはやや勢力を弱め「非常に強い」台風となる見込みです。
その後4日(火)から5日(水)にかけて、西日本から東日本の太平洋側に上陸するおそれがあります。上陸すれば今年4つめの台風です。
過去905hPa以下に下がった台風の例
中心気圧が905hPaまで下がる台風は珍しいのでしょうか。
1951年から2017年までに発生した台風の記録を見てみると、1年間に1.3個の頻度で発生しています。つまり平均すると、ほぼ毎年1つは発生しているということです。
しかし稀に多発する年もあって、2016年には4つの台風が905hPa以下まで発達をしました。(1号900hPa、14号890hPa、18号905hPa、22号900hPa)
過去の地域別最強台風
日本接近時の21号の中心気圧の予想はまだ出ていませんが、地域によっては、これまでに経験したことのないような勢力となる可能性も考えられます。
下の図は、1951年から2017年に上陸した台風の中で、中心気圧が最も低いものを地方別に表したものです。
四国史上最強であり国内記録でもあるのが、925hPaの強さで上陸した第二室戸台風(1961年)です。さらに近畿地方の記録は929hPa(1959年伊勢湾台風)、九州地方は930hPa(1993年13号)です。
一方で東日本の場合は西日本よりも弱く、東海地方は950hPa(2004年22号)、関東地方は955hPa(1958年狩野川台風)で、東北地方は965hPa(2016年10号)です。
来週は台風21号に厳重な警戒が必要です。