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【富田林市】養老乃瀧・滝谷不動店は、地元に愛されて26年。チェーン店と個人店、良いとこ取りの名居酒屋

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

チェーン店と言えば、種類が多く無難なものが味わえる、あるいはコスパがよいというイメージがありますね。ただどうしてもマニュアル重視で、美味しいものを求めるのとはちょっと違う気が、、。

しかし今回、SNSを見て料理のこだわりが気になったという理由で、お邪魔してみた「養老乃瀧 滝谷不動店」は、そんなチェーン店のイメージをみごとに払しょくしてくれました。

老舗チェーン店なのに、まるで個人店のような雰囲気にあふれていたのです。いわば、チェーン店と個人店のいいとこ取りをしたようなお店!

場所は近鉄滝谷不動駅から徒歩圏内にあります。チェーン居酒屋さんというと、たいてい駅前にあったりしますが、「養老乃瀧 滝谷不動店」は意外な立地にありました。

公共交通派の私は駅から歩いていきました。滝谷不動駅から旧国道方面、高橋のある方に向かってください。

画像の道をこのまままっすぐ高橋を渡って行けば瀧谷不動明王寺に行けますが、養老乃瀧さんに行く場合は、旧国道との交差点を右に曲がります。

旧国道を歩いていくと、やがて養老乃瀧さんの幟や看板が見えてきます。

さて入口に到着しました。さっそく入ってみましょう。

もちろんコロナ対策はばっちり。この辺り、さすがチェーン店ですね。

店内には個室スペースもありますが、私はグループではないので、カウンター近くのテーブル席に案内してくれました。

「親孝行と勤勉の店」の表記があり、さらに横にはえべっさんの飾り物。この雰囲気はチェーン店というより、まさに個人店のようです。

カウンター前のテーブルを案内してくれました。訪問したのが、夕方早い時間だからでしょうか?恐らくオーナーさんと思われる男性が接客をしてくれましたが、この時間はプロ野球中継を気にされていたのが印象的です。

このなんともいえない緩さ、マニュアル重視で、ともすれば人間味が無いと感じることがあるチェーン店方式ではなく、個人店らしさ前面。いきなりこちらもほっこりしました。

店の様子です。奥には座敷があります。

そして、ここも個人店っぽさが。チェーン店では、メニューが完成されていて、ラミネート加工されたカラフルなメニューだけなのが普通ですね。もちろん滝谷不動店にもそれはあります。

しかし、それとは別にホワイトボードのおすすめがありました。あまりにも不思議なので、お会計の時に確認させていただくと、オーナー店長の御子息、料理担当の栢木(カヤノキ)和也さんによれば、一部を除いてオリジナルメニューだそうです。

ここで不思議なこと。チェーン店なのに、なぜかオーナー店長の御子息がインタビューに応じてくれています。いったいこれはどういう事でしょうか?

実は養老乃瀧滝谷不動店は、フランチャイズの家族経営店。栢木さんのご両親と家族で経営されています。

だから、チェーン店にオリジナルメニューがプラスされているんですね。利用者にとってはうれしい限り。だからお通し(210円)のきんぴらごぼうも手作り感満載で、チェーン店ぽい、いわゆる出来あいのものではなかったんです。

こうして注文を終え、最初に頼んだビールが来ました。夏場ですから、もちろん大ジョッキ(720円)でググっと飲みましょう。

画像提供:養老乃瀧滝谷不動店さん
画像提供:養老乃瀧滝谷不動店さん

ビールがとてもおいしかったのは、暑かったからというだけではなく、このようにビールサーバーの洗浄をしっかりされていたから。画像を見る限り、管理の状況も高いレベルでした。

個人店によっては、ビールサーバーの洗浄がおろそかになっているところもあるので、非常に大事なことですね。

個人店の雰囲気を持ちながら、大事なところはチェーン店らしくしっかりとやる。ある意味、両方の良いとこどりで無敵の店ではとさえ思ってしまいました。

さて料理が来ました。オリジナルメニューのシラスたっぷりだし巻き(500円)です。

さて、オリジナルメニューからカンパチの刺身(600円)が来ました。透明感のある美しいピンク色。見ただけで、かなり鮮度の良い物だとわかります。

栢木さんによれば、鮮魚については仕入れによって変わるので、当日のお楽しみだとか。これは市場で水揚げされる物によって変わるということで、至極まっとうな話。このあたりは、チェーン店ではなく個人店の雰囲気ですね。

あゆの塩焼き(400円)が来ました。これもオリジナルメニューです。カツオのタタキとともに、この時期、比較的良く提供されることが多いようです。「土用の丑(7月23日)が近いから、うなぎ蒲焼き、うざくをメニューに加えても良いかな」と栢木さん。

呑み足りなくなってしまい、ついついお代わりをしてしまいました。今度はいつものレモンサワー(大490円)です。

ドリンクはレモンサワーだけでも、「凍結」やレモン比率の高い「超」、さらにストロングなどいろんなタイプが揃っています。ハイボールや日本酒ワインなど、ドリンクの幅の広さ、そして値段の安さは、チェーン店だからこその強み。

こちらもホワイトボードから頼んだハニーマスタードチキン(605円)ですが、いわゆる滝谷不動店オリジナルとは少し違います。栢木さんによれば「養老乃瀧の新業態の韓国風居酒屋『韓激』の商品をオススメとして利用したもの」だそうです。

いわゆる養老乃瀧のメニューではないものの、今はやりの韓国のメニューを取り入れるあたりは、さすがとしか言いようがありません。

よく考えたらグランドメニューをまったく注文していなかったので、ひとつたのみました。おつまみサバスティック(税抜:320円)。グランドメニューはやはりリーズナブルですね。

私たちが帰るころには、次々とお客様が入ってこられました。少人数の男性グループやお子さんふたり連れたお母さんなど。

栢木さんによれば、おひとり様から子供連れのご家族まで、実に多様な客層だとかで、チェーン居酒屋と言いながら、地域のいろんな人に愛されている個人店の側面を見せてもらった気がします。

夜の営業時間は16時30分からとなっていますが、実は密かに通し営業をしているとか。土日だけですが、事前連絡をするという条件付きで昼酒が飲めるのです。

また富田林に限らず南河内地域は車の存在が重要ですね。となれば代行業者の存在は心強いです。

送迎用のミニバス
送迎用のミニバス

さらに前日までに予約をすれば、送迎もしてくれます。その送迎の範囲が、富田林市はもちろん、河内長野市や南河内郡全域が可能というのですから驚きますね。ただし送迎の際には、1グループ1ヶ所に集合してくださいとのことです。

栢木さんによれば、オーナー店長はお父さま。もともとスーパーの勤務を長く続けていたそうですが、新聞で養老乃瀧の加盟店募集の広告を見て加盟を決意したのだとか。

滝谷不動店は、1995(平成8)年3月にオープンしたそうで、今年26年目だそうです。開店当時は養老乃瀧が、驚くほどたくさんいろんな駅前近くにあったのだとか。

改めて調べると、現在、養老乃瀧は富田林ではもちろん、南河内地域には滝谷不動店以外ありません。いちばん近いお店が泉北泉ケ丘店。多くの店が閉店していく中、滝谷不動店は見事に生き残りました。つまりそれだけ強い店だったということです。

こうしてしっかり飲み食いしましたが、家に帰ってから少し小腹が空くと思ったので、焼きおにぎり(1個:150円)をテイクアウトで注文しました。

これは、ママさん(栢木さんのお母さん)に包んでもらったものです。帰ってから頂きましたが、しっかりおにぎりの中まで味がしみ込んでなかなかのお味でした。

栢木さんによれば、テイクアウトも、定番の居酒屋メニューだけでなく、予算に応じてオードブル、お弁当も実施しているそうです。

というわけで養老乃瀧滝谷不動店で、しっかり楽しませていただきました。お勘定の時に栢木さんに、「料理長さん、美味しい料理ばかりでした!」と伝えると、「料理長って畏れ多いです」とは謙遜された後、次のように語られました。

どこでも修行とかしたことない素人です。基本的に養老乃瀧のマニュアルを忠実に調理してるだけです。

となると、養老乃瀧の調理マニュアルも相当レベルが高いといえますね。私にはそれだけとは思いませんでしたが、いずれにしてもこの滝谷不動店は、チェーン店と個人店の良さを併せ持つ、とてもよいお店だと思いました。

養老乃瀧 滝谷不動店(外部リンク)
住所:大阪府富田林市錦織東3丁目3-2
電話番号:0721-23-4951
営業時間:11:30~13:30 16:30~22:30
定休日:不定休
アクセス:近鉄滝谷不動駅から徒歩6分(各地域からの送迎あり)
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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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