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NY原油18日:ドル安を手掛かりに期近主導で反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油7月限 前日比0.53ドル高

始値 59.78ドル

高値 60.89ドル

安値 59.25ドル

終値 60.45ドル

為替相場がドル安方向に振れたことが好感され、買い優勢の展開に。

需給面では特に目新しい買い材料などは見当たらなかったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)後のドル安を手掛かりに、買いが膨らんだ。今週は米原油在庫減少を受けての一段高が回避されるなど、需給要因から原油相場を買い進むことは難しいことが再確認されている。ただドルが大きく下げる中で、ドル建て原油相場を買い進むような動きは見られなかった。

サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、今後の需要動向次第では増産を行う用意があると発言したが、特に材料視されていない。既にOPECのフル生産体制は周知されており、サプライズ感はなかった。

国際原油需給に関しては緩和状態が続くとの評価が確立する中、米原油在庫の減少傾向という数少ないポジティブ材料を消化できれば、改

めて下値切り下げ傾向が強まろう。「国際原油需給の緩和見通し」と「米原油在庫の減少傾向」の強弱材料について、前者を重視する動きがやや優勢になり始めている。ただ本格的な値下がりにはドル安傾向に歯止めが掛かることが必要不可欠であり、60ドル水準のボックスを下抜けできるのか否かは、ドル相場の動向に依存することになろう。ドル高回帰が実現すれば50ドル割れも可能な相場環境とみている。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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