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【名古屋市】みんな大好き焼きそば!専門店で喰らう王道の名古屋めし風「鉄板焼きそば」無料で大盛に

羽矢旬良ライター(名古屋市)

何かこう、無性に焼きそばが食べたくなる時があります。ソース味の麺をガバッと箸でつかんで喰らいつき、炭酸系のドリンクで流し込む至福のひと時。

一口に「焼きそば」といってもそのカテゴリーはさまざまで、安いところではインスタント物や祭りの屋台などで提供されるもの、高級路線ではホテルのレストランが提供する数千円のものまでその幅はかなりの広がりがあります。また、中華風だったりカレー味だったり、パスタ麺を工夫したイタリアンのまかない食であったりと、そのテイストも多様です。

筆者の推しは、やっぱり「鉄板の上でアツアツの湯気をあげ、まわりに溶き卵をまとった『ザ・名古屋めし』を思わせる鉄板焼きそば」。

今年の2月にオープンした天白区野並の「焼きそばA(エース)」さんは、その鉄板焼きそばをメニューの中心に据える焼きそば専門店です。

全国的に見ると、さまざまなジャンルの焼きそば専門店が存在していますが、その数は決して多くはありません。そして、その数少ない専門店は、パリッとした食感だとか、焼くときの出汁にこだわっていたりと、どこも「コレ」という「とがった」ものを持っています。

「少数派」と「とがった」に反応する筆者にとって、焼きそば専門店とは猛烈に興味を抱かせる存在で、行かないという選択肢はありません。

今回お伺いした焼きそば専門店「焼きそばA(エース)」さん。まずは、大まかな感想を言うと「今後の展開を追わずにはいられないお店」でした。順を追ってご紹介します。

はじめに店内から。明るい木目を基調とし、やわらかく爽やかな雰囲気で、カウンター席とテーブル席、そして、小さいお子さん用の椅子も用意されていて、一人、二人、グループ、ファミリーなど、老若男女いずれにも対応できる焼きそば店らしい器です。

ハンガーや手荷物を入れるBOXが設置されているところもありがたい。

この日オーダーしたのは、もちろん「ソース焼きそば」です。

冒頭で、焼きそばのカテゴリーについて書きましたが、「焼きそばA(エース)」さんが目指すのは「やや高級」な焼きそば。

そのため、具材の豚肉はありがちなこま切れ肉ではなく、国産豚のバラ肉を使用。

使用する麺は、愛知県碧南市に本社をかまえる大正15年創業の老舗製麺所「大磯屋製麺所」の麺。この大磯屋製麺所の麺はほぼ全国的に美味しいと評判の麺で、複数のメディアに取り上げられ、ネット上にもたくさん情報が流れています。

そして調理。

調理を担当する店長の佐々岡さんは、調理学校を卒業後、結婚式場の厨房からスタートし、イタリアンやフレンチなど洋食業界を数十年歩いてきた筋金入りの料理人です。

「料理人としてスタートしたとき、師匠に『邪道から入るな、まずは王道を行け。アレンジを加えるのはその後だ』と教えられてね、今も忠実にそれを守ってるんですよ」と佐々岡さん。

料理の仕上がりはもちろんのこと、お店の運営全般に関してもそうした姿勢で臨んでいるのだとか。

「焼きそばA(エース)」さんがオープンしたのは今年の2月。今回訪問した時点で3カ月弱になるのですが、現在のメニューの点数が少ないのはそうした店長の方針を反映しているものだそうです。

「今、提供しているメニューは完成形ではありません。やはり、ベースとなる商品の完成度やお客様に最適な状態で料理が提供できる状態を見極めてから、次のステージに移りたいという気持ちがありました」

「この3カ月間はいわばそうした期間。これも、運営会社代表の理解があってこそです。おかげで準備は整いました。あと少し調整したいところがありますので、それが済み次第次のステージに進むつもりです」と佐々岡さんは意気込みを語ります。

なるほど。ところで、こちらのお店を運営する会社とはどのような会社なのか。

運営会社は、株式会社エヌ・シー(南区塩屋町)で、このお店は代表の中村さんの構想を実現させたお店なのだそうです。

株式会社エヌ・シーは、プラスチック製品の加工・製作を行う創業55年目の株式会社テクノプラストの完全子会社です。製品などの販売や事業の多角化を担う役割を持っており、このお店は異業種へ参入するはじめの一歩となるものでした。

店長の佐々岡さんは、「焼きそばは、シンプルだけど奥が深いんですよ」と言います。その言葉は、「シンプルだから難しい、でも、追求しがいがある」という意味を含んでいるのでしょうね。

中村さんにお聞きしたのですが、テクノプラストの企業理念は「求めて難にあたり、自分の能力にチャレンジし、社会に貢献しよう」なのだそうです。

店長の言葉に通ずるものがあるなと感じるのは筆者だけでしょうか。

出来上がった焼きそばをいただきました。美味しいです!

もっちり柔らかいけどコシをしっかり感じる麺、時折感じるパリッと感、何より鉄板から食べているという「コレコレ」感。そしてタコさんウインナー。

テーブルには、自分の好みに応じて味をカスタマイズできる調味料が並んでいます。

  • マヨネーズ
  • ソース
  • かつお節
  • 青のり
  • 紅しょうが

マヨで味変してみました。「うまいっ!」

店長の佐々岡さんに、次のステージについてお聞きすると「今後は、月替りのメニューとトッピングメニューを充実させていきたいですね」とのことでした。

ここからは筆者の個人的な意見ですが、焼きそばと聞いて連想するのは「麺料理」と「ソース味」で、「麺料理」から連想するのはパスタやラーメン、「ソース味」で連想するのはお好み焼きや広島焼きです。

これらは組み合わせを変えても料理として成立するんですよね。裏を返せば、何でもありで可能性は無限大。ただ、消費者に「よくわからないお店」と思われたら終わりだと思うのです。その部分は今後の戦略に織り込み済みだと思いますが・・・

筆者の個人的な気持ちとしては、名古屋めしの特徴を反映した「ザ・名古屋めし」を軸に展開してほしい気持ちはありますが、はたしてどうなのでしょうか。

いずれにしても、今後も楽しみなお店でした。

店舗情報

焼そばA(エース)
住所:天白区野並3丁目225番地の1(地下鉄野並駅2番出口を出て右へスグ)
TEL:052-893-9771
営業時間:11:00~15:00 17:00~21:00
休日:水曜日
公式サイト:外部リンク
最新情報:公式Instagram

ライター(名古屋市)

名古屋生まれの名古屋育ち、現在は近郊在住。ライトなものからディープなものまで、名古屋のリアルを主観を添えてお伝えします。

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