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NY原油15日:反発、クッシング在庫の減少を警戒

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比0.59ドル高

始値 44.11ドル

高値 45.03ドル

安値 43.92ドル

終値 44.59ドル

株高や米クッシング地区の在庫減少観測を手掛かりに、反発した。

緩やかなダウントレンドが続いているが、本日は売りポジションの整理が優勢になった。特に目立った材料は見当たらなかったが、今週は米国内産油環境の悪化でクッシング地区の原油在庫取り崩しが進むとの観測から、短期筋の買い戻しが膨らんだ。米国株の堅調地合もポジティブ。8月の米鉱工業生産指数は前月比-0.4%と低調だったが、原油相場に対する影響は限定された。主な落ち込みは自動車部門であり、ドル高や在庫調整の動きが米製造業セクターの活動にブレーキを掛け始めた可能性もあるが、国際原油需給見通しに大きな修正を迫るような数値ではないと評価されている。

全般的に手掛かりに乏しい中、原油相場のボラティリティも低下している。8月下旬の急伸地合を受けての底入れ論の破綻は確認されているが、原油安による生産調整の動きが強化されていることも確認される中、改めて売り込んでいくことには消極姿勢も見受けられる。

もっとも、価格が上昇すればシェールオイル生産は回復する可能性が高い以上、少なくとも原油相場の反発余地は限定されよう。短期スパンでは株価次第の不安定な相場展開になり易いが、需給面からの支援がみられない状況に変化は生じていない。シェールオイル生産調整の動きにマーケットが過剰反応するリスクも警戒しておく必要があるものの、需給リバランスの必要性がこれによって薄れた訳ではなく、徐々に戻り売り優勢の地合に回帰する可能性が高いとみている。シェールオイル減産の動きを、需給均衡化にまで発展させていくことができる価格水準を模索するステージが続く見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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