自家用車の負担、何が一番重たいか
燃料費や自動車税よりも車検・点検費がツラい
通勤や通学、子供の送迎に買い物、レジャーなど、多くの人にとって欠かせない移動手段の自家用車。多くの便益を生活にもたらしてくれるが、相応の負担も生じてくる。フリーメンテナンス、ノーランニングコストのツールなど世の中には存在しない。金銭面に限定しても、燃料代に駐車場代、修理代、保険料、そして各種税金に車検代。金食い虫と呼ばれるのも納得がいく。
それでは自家用車の所有者は、金銭面では何が負担として感じているのだろうか。ソニー損害保険が2013年11月に発表した、自家用車を所有し常用する人を調査対象母集団とする18歳から59歳の男女で構成される調査結果によれば、もっとも多くの人が負担に感じていたのは「車検・点検費」だった。自家用車持ちの7割近い人が「車検代は負担が大きくてツラい」と考えている。
燃料代や駐車場代は大体月単位で定期的に発生するが、車検・点検費はもっと出費間隔は長い。多くは2年毎となる。しかし一度に発生する出費が10万円前後と大きいため、「重い負担」との認識が強いのだろう(賃貸住宅の更新料と同じようなもの)。昨今値上がりが気になる「ガソリン代・燃料代」は第2位の66.5%。こちらもほぼ2/3の人が負担だと感じている。
「駐車場代」は1/4ほどと少なめ。駐車場のある自宅に住んでいれば負担はゼロになるし、賃料は地域格差が大きいため、これはあくまでも全体の平均と見た方が良い。都心部のみに限定すればもう少し高い値を示すに違いない。
年々増加するガソリン代への負担感
ほぼ競り合っている上位2位「車検・点検費」「ガソリン代・燃料費」だが、今件調査の経年変化を見ると、「ガソリン代・燃料代」の負担意識が年々高まり、「車検・点検費」に競り合うようになりつつあるのが確認できる。
この数年に限定すれば、確かに原油価格の高騰に連動する形で、ガソリン代は上昇の一途をたどっている。
負担を覚える人が増えるのも当然の話。また、ガソリン代そのものの上昇もさることながら、多少の値上がりのたびに大きく騒ぎ立てる報道を何度となく見聞きするに及び、価格上昇の実態以上に心理的な面から「負担が大きい」という認識をしてしまいがちなのも一因だろう(逆に車検費が高いという話は、普段の報道ではほとんど伝えられない)。
昨今では原油価格の上昇に加え、為替レートの変化に伴い、ガソリン価格が下がる気配は無い。このままの状態が続けば、あくまでも心理面での話だが、「車検・点検費」以上に「ガソリン代・燃料費」を負担に覚える人が増えることになるかもしれない。
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