2022/23のカーリングシーズンが札幌で開幕。どうクラ2022と車いすカーリングの幸福な関係とは?
2022/23シーズンが、札幌市で開催中のどうぎんカーリングクラシックで開幕した。
7日の男子決勝では韓国代表であるチームJeongが、MTKaruizawaを退けて初優勝。女子決勝のフォルティウスvsSTRAHL(シュトラール)は16時から行われるが、その間に車いすカーリングのエキシビションマッチが企画されている。
これは昨年からどうぎんカーリングクラシックが車いすカーリングの周知のために取り組んできたイベントで、札幌市が立候補している北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピック招致を後押しする意味合いもある。
昨年は北海道コンサドーレ札幌が車いすカーリングに3エンド限定で初挑戦したが、今回は試合前練習やLSD(先攻後攻を決めるドローショット)を導入し、5エンドゲームに拡大。実戦に近い形でのゲームが展開される。さらに、日本車いすカーリング選手権優勝の北見フリーグス対5月の日本選手権準優勝の札幌国際大学、車いす選手権準優勝のサフィルヴァ北海道と日本選手権3位の北海道銀行と2カードに増えた。いずれも北海道カーリングツアー2022と、どうぎんカーリングクラシックのYouTubeチャンネルでライブ配信される。
「札幌国際大学さんにはユニバーサルで2連敗しているから、そろそろ勝たないと」
笑顔でそう語るのは北見フリーグスのスキップ・坂田谷隆だ。「ユニバーサル」とは、一般、ジュニア、シニア、デフ、車いすなど様々なチームが同じルールで競うユニバーサルカーリング大会を指す。そこで札幌国際大学に惜敗した北見フリーグスはリベンジを期す。
もう一方のカードに出場するサフィルヴァ北海道は昨年、前身である札幌ブレイブスとして前述のコンサドーレとのエキシビションに参加し、日本選手権3連覇中だったコンサドーレを圧倒するなど、車いすカーラーとしての矜持を示した。対する北海道銀行のスキップ・田畑百葉は車いすカーリング初挑戦だが、「難しいと思いますが、負けず嫌いなのでやるからには勝ちたい」と真剣勝負に望む。
車いすカーリングは2010年のバンクーバー大会から正式種目に採用された。日本は初出場を果たしたが、それ以降3大会連続で出場できていない。
2026年のミラノ/コルティナ・ダンペッツォ大会に出場するためには、まずは今年の日本代表となった北見フリーグスが11月にフィンランドで行われる世界選手権B大会に出場し、そこで3位以内に入賞すると3月に開催されるA大会に進出できる。2023-25のA大会の結果で2026年パラの出場権が争われるという、ロードマップだ。
世界の強豪は北京大会優勝の中国、準優勝のスウェーデンなどだ。どこもテイクに自信を持つチームで、1投で局面を変えるショットを備えている。
それに対し日本代表の北見フリーグスは「ドローもテイクもどんなショットも均等に決められるチームを目指しているし、それが実現できそうなメンバーが揃った」と坂田谷。柔軟なカーリングで16年ぶりの大舞台を目指す。
オリンピック、パラリンピック共に目指すのは2026年イタリア経由で、2030年地元札幌でのメダル獲得だ。「このエキシビションで少しでも周知を進めて、カーリング、車いすカーリング共に応援してくれる人を増やしていきたい」とはどうぎんカーリングクラシックの運営委員会のコメントだ。
2030年SAPPOROが実現するかどうかは、来年5月にインドのムンバイで開催されるIOC総会で決定される予定だ。この“どうクラ”のような好ゲームを8年後にも期待したい。