【富士宮市】箱入り狛犬?!ではなかった…古きよきものを残しながらも、時代に合った存在『宮原八幡宮』
宮原地区住宅街の小高くなった場所に鎮座する宮原八幡宮。宮原新田として開発された1554年を起源として、村の形態が整い、地域の噴火、地震、風水害などの守り神として、また五穀豊穣、無病息災、縁結びなど諸願成就の神様として地域の人々の信仰を集めて来たそうです。
まだ新しい朱色の映える鳥居は、道路に向かい堂々と立ち、宮原地区を見守っているかのようにそこにありました。
鳥居を超えると階段の左右に箱に入ったような狛犬が…しっかりと阿吽の形相をしてこの場所を守っています。
階段を登ると、左右には御影石で作られた灯籠が2基、平成25年3月吉日と彫られていました。
平成25年といえば、今から9年前になります。まだ新しさの感じる灯籠、そしてその奥の社殿も新しさが残っています。
新しい灯籠と社殿に似つかわしくない古木の枝垂桜、その奥には天神と地神が祀られていました。
以前は赤い屋根を持つ古びた社殿、そして石灯籠、裏手には土俵があったようですが、石灯籠が御影石の灯籠に代わった時期に社殿の建替えが行われたようです。
裏手に回ると、広々とした宮原区民館と、コミュニティー広場と称された綺麗な公園がありました。
箱入りの狛犬は、宮原八幡宮以外で見たことがなかったので、狛犬の形などを調べてみたのですが、箱入り狛犬はどうしても見つからず…
過去の宮原八幡宮の写真と照らし合わせて初めて、箱入り狛犬の正体は、当時の石灯籠の台座だったということに気が付きました。
古くなった石灯籠などは倒壊の恐れなどがあり危険だと聞きます。
境内で遊ぶ子供たちが怪我をしたら大変という思いから苦渋の選択で撤去したのだと感じ取れる箱入り狛犬の存在に、形は変われど、宮原区民の方々の集まる場所として、古きよきものを残しながら、必要な形に変化しながら地域の人々を見守り続ける産土神の姿を見たような気がしました。
宮原八幡宮:富士宮市宮原143
*10月の第2日曜日には区のお祭りが開催される
*3月下旬には境内の枝垂桜が見頃を迎えるそうです