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NY原油20日:小幅続落、根強い過剰供給への警戒感

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油12月限 前日比0.15ドル安

始値 40.54ドル

高値 40.99ドル

安値 39.99ドル

終値 40.39ドル

特に目新しい材料はないが、引き続き過剰供給の長期化に対する警戒感が強く、戻り売り優勢の展開になっている。為替が再びドル高方向に振れたこともネガティブ。

アジア・欧州タイムは新規手掛かり難から40ドル台中盤で方向性を欠いたが、ニューヨークタイムに入ると戻り売り圧力が強まり、一時40ドル台を割り込む軟調地合になっている。新しいネガティブ材料が出てきている訳ではないが、1)国際需給の緩和状態長期化、2)米国内の過剰在庫、3)暖冬による冬の需要低迷リスク、4)ドル高傾向、5)中国経済の減速懸念などが、原油相場の上値を圧迫する展開が続いている。ただ、本日も40ドル割れから更に値位置を切り下げることには失敗しており、引けにかけては下げ幅を縮小する展開になった。週末を前に、売りポジションの利益確定ニーズが強かった模様だ。

やや新規材料に乏しい状況になる中、目先は米製油所稼働率の上昇に伴い在庫積み増し傾向にブレ―キが掛かれば、季節要因から若干のリバウンドを試すリスクはある。ただ、余程の厳しい寒波にならない限りは在庫にタイト感が浮上するような状況にはない。そして、今年の欧米ではエルニーニョ現象の影響で暖冬予想になっており、戻り売り基調そのものに修正を迫るのは困難とみている。

足元では40ドルの節目が支持線として機能しているが、なお需給リバランスの完結見通しが立ちづらい状況にある中、下値不安が大きい相場環境が続く見通し。現行価格でも減産圧力が確認できる中、ここから急落するような必要性までは認めていないが、少なくとも大きく反発して減産圧力を緩めるようなことは許容されていない。ドル高や中国経済の減速懸念も強力な上値圧迫要因であり、原油相場の底入れ判断にはなお慎重スタンスが求められる。

マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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