西日本を飛び越え、東北南部「梅雨入り」のワケ
きょう6月7日、気象庁から東北南部の梅雨入りが発表されました。平年より5日早い梅雨入りとなります。
これを聞いて「あれ?」と思った方は多いはずです。九州北部、中国、四国、近畿の西日本各地の梅雨入りの発表がなかったからです。
西日本を大きく飛び越えて、東北南部が先に梅雨入り。調べてみると、過去に何度かはありましたが、珍しいケースです。
東北南部の曇りや雨は、梅雨前線ではない
上の図は、7日午前11時気象庁発表の週間予報です。
きょう7日は西日本の各地で雨が降り、大雨となったところがありましたが、向こう一週間は比較的晴れる日が多くなっています。このため、きょうの梅雨入り発表は見送られたと推測できます。きょうは低気圧によって梅雨前線が一時的に北上しましたが、またすぐに南下し、今後しばらく南の海上に停滞するため、このような予報になったわけです。この状況を考えると、今後しばらく西日本の各地では、梅雨入りの発表はないものとみられます。
となると、東北南部3県の曇りや雨は何なのか。当然、梅雨前線ではありません。主な原因は「オホーツク海高気圧」です。今後、オホーツク海高気圧が出現・停滞し、そこから冷たく湿った空気が流れ込むため、曇りや雨が続く予報になっています。
こうした理由から、梅雨入りの逆転現象が起きました。
梅雨入りは、基本的には梅雨前線の動きによって決まるものです。ただ、オホーツク海高気圧による曇りや雨も、梅雨時の現象の一つといえます。前線は遠く離れていても、そして西日本よりも早く梅雨に入ったと言えるのか、今回は判断が難しい梅雨入りだったのではないでしょうか。
季節の線引きは難しい
気象庁のホームページで、梅雨入り・梅雨明けの日付を調べると、日付のあとに「ごろ」と付けられているのに気付きます。これは、季節は急に変わるわけではなく、ある程度の移行期間があるため、幅を持たざるを得ないためです。
そもそも、季節にきっちり線引きすること自体に無理があります。ましてや、その「予想」となると、なおさら難しくなります。自然のことですから、多少アバウトにとらえる目線があってもいいのではないでしょうか。
きょう発表された梅雨入りというのは、あくまで「速報値」という位置付けです。今後、見直しを行い、9月に「確定値」が発表されます。そこで振り返って、やはりこの期間であったと、大きく修正されることもあります。
今回の梅雨入り発表は、のちにどう判断されるのか。9月の確定値が待たれます。