国連サミット193カ国の合意で採択されたSDGs(エスディジーズ)の観点からYouTubeへのお願い
外食チェーンレストラン店のサイゼリヤで全品頼んで食べ残し、批判を浴びたグループが、メディアのインタビューに応じていた。この記事に対し、オーサーコメントとして「YouTubeの規定を改善する余地があるのでは」という趣旨を投稿したところ、9,742件の「参考になった」ボタンが押されている(2017年12月29日7:25am現在)。
「炎上に乗ってさらに再生回数を増やそうと思った」「人の悪口を言ってアクセスを稼... ▼サイゼリヤ大量食べ残しで炎上したYouTuberが初激白「嫌われてもいいと思っていた」〈dot.〉
動画投稿サイトであるYouTubeのコミュニティガイドラインを確認したところ、「有害で危険なコンテンツ」など、抵触する内容について、箇条書きで書かれている。
今回の動画が1ヶ月以上掲載されているところをみると、メニュー全品を食べ残す様子を投稿しても、ガイドラインに抵触する内容ではないらしい。
ただ、2030年までに達成する世界共通の目的として決まった「SDGs(エスディジーズ)」の観点からすると、これは看過できないと考える。
SDGsとは、2015年9月、国連サミットで決定された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)だ。国連のすべての加盟193か国の合意で採択されている。
2030年までに達成すべき17のゴール(目標)と、それぞれの下に169のターゲットが掲げられている。
この中でも、食品ロスに大きく関与するのが12番目だ。
この中の3番目に「2030年までに世界の食料廃棄を半減する」という目標が掲げられている。海外では、これを「12.3」(じゅうに てん さん)と呼んでいる。
つまり、2030年までに、世界中のあらゆる場面で、食料の廃棄を50%減らさないとならないのだ。
原文では次のように書かれている。
「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる」
外務省の公式サイトでも日本の取り組みが書かれており、それこそYouTubeで世界的に有名になったピコ太郎さんが、外務省とのコラボレーションとして、このSDGsを啓発する動画をアップしている。
食品ロスに関与するゴールは12以外にもある。たとえば日本政府の挙げる「働き方改革」に繋がる8番もそうだ。
残して捨てるなら、最初から作らなければ、働く人はずっとラクになる。何しろ、世界の食料生産量の3分の1(13億トン)は捨てているのだから。
独自の動画を投稿するYouTuberは、今や小学生の憧れの職業だ。動画は日本だけでなく、世界中から閲覧ができる。そんな中、日本のYouTuberが、食べきれないとわかっているメニューを全品頼み、食べ残している動画をアップして多くのアクセスを意図的に集めているのは、世界的にみても、日本の代表として恥ずかしい行為だ。SDGsにも反する。未来を担う子どもの教育上、良いとも思われない。
YouTubeには、コミュニティガイドラインについて、SDGsの観点から検討を求めたい。