子供達のおこづかい相場、その実態を探る(2014年)
身近な問題であると同時に他人の事情を推し量りにくいのが、子供のおこづかい額。そこでその実態を金融広報中央委員会の「知るぽると」が毎年調査・結果の発表をしている公開データを基に、その実情を確認していく。
次に示すのは直近2014年における、調査対象母集団のうち子供がいる世帯におけるこづかいの平均額。普段はこづかいを渡さず、欲しい対象がある場合に買い与えるようなパターンの世帯では平均換算には含まれない。
小学校低中学年で1000円足らず、高学年で1000円強、中学生では2600円程度が平均額。高校生では5000円強、大学生は(こづかいをもらっているとすれば)平均で2万3000円ほど。相場観としては「大体こんなところか」という値。
このこづかい額の平均推移を高校生以下に限り、1971年以降の動向を見たのが次のグラフ。1980年にかけて一定の上昇が見られた後は、高校生以外はほぼ一定額を維持している。また小学生以前が直前の2年ほど「跳ねて」いたが、直近の2014年ではむしろ取得開始の2007年以来ではもっとも低い値に留まってしまっている。直接物品を渡す切り口にシフトしたのだろうか。
消費者物価指数は1980年後半以降、ほとんど変動していない。子供のこづかい額も中学生・高校生向けの金額は、それに大体即している形となる。
一方1980年代後半では中学生・高校生で明らかに大きな減退、小学生でも小規模な減少が見受けられる。「バブル崩壊」が子供のふところ事情にも少なからぬ影響を与えていたことが確認できる次第である。
また、高校生は前世紀末から起伏を繰り返しながら、少しずつ減少する動きが見られる。この15年間で1000円ほど減った形だ。単に親の懐事情が厳しくなっているのか、高校生が使う携帯電話の電話料金を親に払ってもらう代わりに、フリーハンドで使えるこづかいが減らされているのか。後者と考えた方が道理は通る。
民間調査(ソニー生命保険、2013年発表)によれば、小学生では2割強、中学生では5割強が携帯電話料金を親が肩代わりしており、その額は平均で月額2000円強、5000円という結果が出ている。
携帯電話の利用にかかる経費が増え、それを親がこづかいとは別途に受け持つ事例が増えれば、子供が自由に使えるこづかい額が漸減していくのも仕方のない話かもしれない。
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