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史上最多セーブのマリアーノ・リベラ(元ヤンキース)、圧巻の満票での殿堂入りは実は意外?

豊浦彰太郎Baseball Writer
史上初の満票殿堂入りのマリアーノ・リベラ(写真:Shutterstock/アフロ)

日本時間の今朝、2019年の全米野球記者協会(BBWAA)選出の野球殿堂入り投票結果が発表された。結果は、通算652セーブのマリアーノ・リベラが史上初の満票を獲得し、初年度での殿堂入りを決め、今回が資格最終年のミスターDHエドガー・マルティネスと資格初年度ながら一昨年の11月に飛行機事故で非業の死を遂げたサイ・ヤング2度受賞のロイ・ハラディ、6年目で通算270勝のマイク・ムッシーナが殿堂入りとなった。この結果は、極めて予想通りであり、また意外でもあった。

「予想通り」は、当然だ。近年は投票結果を公開する記者が増えており、それらを集計するサイトまで登場している。日本時間の今朝の結果発表の段階では、全投票者442名の半数以上に当たる225名が公表していた。自ら積極的に投票結果を公表しようとする者は、どちらかというと「尖った」考えの持ち主が多いということを前提にしても、「出口調査」にこれだけの数があれば全体を推し量るには十分だ。

したがって、この4人が選出されるであろうことはほぼ推測がついたことだが、そこには驚きもあった。それはリベラの満票だ。彼に関しては選出自体は前提で、史上初の満票なるか、が焦点だった。通算セーブ数歴代第1位の652に加え、ヤンキース黄金時代を支えたポストシーズンでの圧倒的なパフォーマンス(70投球回で防御率0.70など)を誇るからだ。

一方で、満票には懐疑的な向きもあった。いつの時代にもひねくれ者がいるからだ。実際、これまで歴代1位の得票率は2016年のケン・グリフィー・ジュニアで99.32%だったが、1990年代最高のプレーヤーとも称される彼の場合も、投票を見送った者が3人いた。

また、昨年12月下旬にはマサチューセッツ州の地方紙「テレグラム&ガゼット」のビル・バロウ記者が、「投球回数の少ない救援投手は殿堂入りに値しない」との考え方から「わたしはリベラに入れない」と紙面で述べていたからだ。結局、このコメントは虚偽になった。彼はリベラに入れたことが明らかになっており「考えを改めた」と述べている。

ちなみにぼく自身は、バロウ記者他ひねくれ者達の存在を考慮し「満票はない」と考え、満票かどうかより史上最高得票率更新なるか、の方に注目する方が建設的と思っていた。明日発売の某専門誌にもそのように記した予想記事を寄稿した。

おそらく、リベラの満票は来年新たに資格を得るデレク・ジーターの満票にも道筋を付けた、とも思う。

Baseball Writer

福岡県出身で、少年時代は太平洋クラブ~クラウンライターのファン。1971年のオリオールズ来日以来のMLBマニアで、本業の合間を縫って北米48球場を訪れた。北京、台北、台中、シドニーでもメジャーを観戦。近年は渡米時に球場跡地や野球博物館巡りにも精を出す。『SLUGGER』『J SPORTS』『まぐまぐ』のポータルサイト『mine』でも執筆中で、03-08年はスカパー!で、16年からはDAZNでMLB中継の解説を担当。著書に『ビジネスマンの視点で見たMLBとNPB』(彩流社)

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