『名脇役が揃い踏み』浦和vs名古屋【浦和レッズ川柳試合レビュー】
■4月なのに夏
とにかく暑い。春すっ飛ばして夏になってる。試合開始2時間前に埼スタに到着して、いつもの南側自由席のバックスタンド寄りに座ったら、直射日光で、灼熱の海岸で日光浴してるくらいに厳しかった。つい浮かんだのが
埼スタで 洗濯物も すぐ乾く
すいません。まったくサッカーとは関係のない一句でした。
連休でしかもピーカンの天気、相手もグランパスとなれば4万5千はカタいかなと思いきや、試合開始一時間前になっても、そこまで混みそうにはない。結果的に4万2千台か。どうも、リーグ優勝した2006年前後に比べると、今一つ、集客パワーが弱いかな。
それでも試合開始くらいには南側自由席はほぼ埋まり、予想通り、小さい子供を連れたファミリー層の姿も目立った。
グランパスサポの『ラ・マルセイエーズ』もたっぷり聴けて、やっぱりこれがないとレッズ・グランパス戦て気がしないなと再確認。
■味のある脇役が揃いつつある
さて試合開始だ。また先発起用された中島、なかなか動きがキビキビしてて、かつて「天才」と謳われた動きがだいぶ戻ってきてる感じ。サンタナと中島の組み合わせは、刃物でいうと鉈と匕首みたいなもので、体も動きも対照的で、そこらへんのギャップが興味深い。11分くらいの、サンタナから出たボールに反応した中島のシュートなんてのは、決まらなかったものの、なかなか美しかった。
サンタナって妙に器用なところもあって、そのあと安居が決めたゴールも背中を向けながらパスを出したのがサンタナだったんだな。ロングシュートを決める爆発力も持ちつつ、小技のアシストも出来る。主役もやれるがわき役も出来る。今だと松重豊とかかな。シブすぎる?
背を向けた パスでサンタナ 名わき役
それにしても、安居も、ちょうどいいところにいた。
どちらかというと押し気味だったのに、なかなかシュートまで行かない中、グスタフソンとサンタナが続けざまにゴールに迫ったのに決められなかったのは、ランゲラック、エラい!と褒めるしかないかな。
「名古屋、クソッタレ!」コールも出た後半は、再び中島の惜しいシュートもあった末に、前田がペナルティエリア内で倒されてPK。38番、ほんとに前半からよく動いていた。
ボールが前線に出たと思ったら、だいたい追い付いてゴールに向かっていくのが38番だった。なかなか主役とは言い難いが、フットワークのいいわき役としてドラマの制作者ならつい使いたくなる役者、たとえば八嶋智人とか、そういうポジションか。このたとえには異論のある人も多いかもしれないが。
PK決めたのはサンタナだとしても、ま、8割がたは前田の得点。
スキあれば ナオキ飛び出す ゴール前
パンのイベントもやっていたみたいなんで、ぜひ最後に出て来たパンヤに得点を決めてほしかったが、それはならず。ただ、DFも、まずバランス取れてたし、きょうは2-0でマルく収まるかと思った試合終了直前。あれ、CK?とゴール裏のすぐそばにいた南側自由席の観客もちょっと呆気に取られていた空白をついて、スコーン!と返されてしまった1点。たとえ勝ったとしても、あれば試合の後味を悪くしたな。おいしいご飯を食べていたら、最後に小石が入ってた、みたいな感じか。さすがに最近はないが、昔はたまに小石の入ってるご飯てあったのだ。あれ、歯で噛むと、痛くてイヤだった。
敵ゴール 小石を噛んだ 味がした
もっとも、ここでグランパス相手に勝ち点3は大きい。順位も真ん中へんでモコモコしてないで、さっさと4~5番手くらいには上がっといてほしい。
さすがにまだ4月。帰りは暑さもおさまり、心地よい自転車日和であった。
動画:2023年度『最優秀浦和レッズ川柳』発表&2024シーズンへ一句
山中伊知郎
1954年生まれ。1992年に浦和に引っ越して来て、93年のJリーグ開幕時にレッズのシーズンチケットを取得。以後31年間、ずっとシーズンチケットを持ち続け、駒場、ならびに埼スタに通う。2021年より、レッズ戦を観戦した後、「川柳」を詠むという「レッズ川柳」を始める。
代表を務める「ビンボーひとり出版社」山中企画では、昨年8月、テレビの夢グループCMで、石田社長の横で「社長~! 安くしてエ~!」の甘え声でお馴染の歌手・保科有里の『愛人!? 困っちゃう・・・』という本を出し、11月には『タブレット純の日本芸能イジン伝・その① おひとりさま芸能人 エド山口に訊く!』を出す。現在、どん底地下芸人から中野区議会議員に転身し、「中野区から日本を変える!」と宣言している井関源二さんの本と、元放浪少女で、今は群馬県・沼田の市会議員に転身している今成敦子さんの本を企画中。