男性より女性、無職の人ほど早い…夕食を取る時刻の違いをさぐる
夕食は一日の食事の中でも一番豪華な料理を楽しむことができ、また家族団らんの場としても重要な時間に違いない。その夕食を取り始める時刻の実情を総務省統計局による社会生活基本調査(※)の公開値から確認する。
最新の調査結果にあたる2016年における平均夕食開始時刻(16時以前・24時前に始まる最初の食事開始時刻を確認した。例えば昼飯を抜いて早めの夕食を取った場合でも、この時間に当てはまれば夕食と見なす)だが、平日は男性が19時17分、女性が18時55分と、女性の方が約20分早い。朝食でも同様の傾向が見られたが、これは夫の帰りが遅くなる場合に、妻が先んじて子供と一緒に食事をとる事例が多いからだと考えられる。
これが土日になると男性は約20分、女性は約10分ほど開始時刻が早くなる。土曜より日曜の方がさらに遅くなるのは、土曜も出勤・登校する人がいるので、その場合は夕食までのスケジュールが平日に近いものとなるため。また、日曜は夕食を早めに済まし、翌日からの一週間に備えてのんびりしたいとの思惑もあるのだろう。
これを就業状態別に見ると、男女とも「有業者は平日ほど遅い」「無業者は平日土日の差があまり無い」との動きが見られる。見方を変えれば、夕食開始時刻は多分に就業時間(厳密には就業終了時刻)に左右されることになる。なお有業・無業の違いは15歳以上で無いと取得できないため、こちらは15歳以上の平均値となっていることに注意。
多くの人が休みを取る日曜でも、有業・無業間に20分強の差が出るのは「日曜勤務の人」「平日の習慣上」双方の理由によるものだろう。あるいは無業者は高齢層が多いことから、早く就寝するために夕食も早めに取る傾向があるのかもしれない。
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※社会生活基本調査
5年おきに実施されている公的調査で、直近分となる2016年分は2010年時点の国勢調査の調査区のうち、2016年の熊本地震の影響を受けて調査が困難な一部地域を除いた、総務大臣の指定する7311調査区に対して実施された。指定調査区から選定した約8万8000世帯に居住する10歳以上の世帯員約20万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2016年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2016年10月15日から10月23日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と回収方式。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。