猫が『飼い主を見て逃げる』理由5選!デリケートな猫の心を守ろう
愛らしい猫の姿に癒やされ、一緒に暮らす日々は幸せいっぱい。しかしそんな愛猫が、自分を見るなり逃げてしまったなんて経験はありませんか?
「どうして?」「何か私が悪いことをしたの?」と、戸惑いや不安を感じてしまう方もいるでしょう。
実は猫が飼い主から逃げる理由には、猫なりの理由が隠されているようです。
1.猫が『飼い主を見て逃げる』理由5選!
1‐1.縄張りへ侵入された
飼い主が自分の縄張りに入ったことで、逃げる猫もいます。猫は縄張り意識が強いので、自分の縄張り侵入者への監視は厳しいのです。
実は縄張りといっても、猫は2つの行動範囲をもっています。ひとつは寝たり食べたりする縄張り(テリトリー)と、もうひとつは狩りをする生活圏(ホームレンジ)です。
そのなかでホームレンジはほかの猫と共有もできあますが、テリトリーだけは自分だけのものでなくてはいけません。飼い主ですら、侵入するのを許さない猫もいます。
猫と良い関係が築けると、飼い主はもはやテリトリーの一部になる場合もあるので、その辺の線引きがなくなるパターンがほとんどですが…。
しかしそうでない場合は、テリトリーに侵入していた飼い主を脅威とみなすケースもあるようです。
そのため猫がテリトリーを大切にしている場合や、猫を迎え入れて間もない期間は、配慮を忘れないようにしましょう。
しきりににおい付けをしている場所があれば、おそらくその周辺がテリトリーです。
1‐2.パーソナルスペースに侵入された
猫には猫のパーソナルスペースがありますが、そのスペースにズカズカ入ると逃走されがちです。
パーソナルスペースとは、他者が近づいてきても不快と思わない距離のことで、猫の場合は、約2mをパーソナルスペースとしています。
そして猫は2m以内に、知らない人や動物を近づけることはしません。直ぐに逃走できなくなってしまうからです。
もしその範囲に侵入者が入ると、猫は逃走します。もちろん関係が構築されて、パーソナルスペースがゼロになると、それを理由に逃走することはなくなりますが。
しかし迎えたばかりの猫では、飼い主に対してもパーソナルスペースをしっかりもっている子が多いため、距離感には注意が必要です。
【ひとこと】わたしの愛猫3匹中1匹は、初めからパーソナルスペースはなかったと記憶しています。ただしほかの2匹のガードは、とても強かったです。
1‐3.嫌いな匂いがする
飼い主から嫌いなにおいがするのも、猫が逃走する原因になります。
嫌なにおいというのは、たとえばにおいが強い香水や柔軟剤・柑橘系のにおい・ほかの猫や動物のにおいなどです。
これらのにおいが飼い主から漂うと、瞬間的に逃げ出す猫も珍しくありません。
猫は視覚よりも嗅覚や聴覚を頼りに状況を判断するので、嫌なにおいが大好きな飼い主から漂っていても、脅威と感じてしまうのです。
スリスリして急いで自分のにおいを上書きする子もいますが、いったん逃げて状況を判断する慎重な子もいます。
愛猫が後者のタイプである場合は、香水や帰宅時のにおいには配慮をしましょう。
【ひとこと】我が家の3匹の愛猫は、1急いでスリスリ、2いったん逃げる、3動じない と3匹ともパターンが異なります。
1‐4.目を合わせながら近づいてくる
猫の目をじっと見つめながら近づくのも、逃走の原因となるのでNGです。
猫の世界では「目を合わせる」のは「ケンカの合図」を意味します。人間の世界では「目を合わせる」と好意のしるしと捉えますが、猫の世界では逆なのです。
そのため飼い主が大好きな猫でも、自分より体の大きな生き物に目をじっと見つめられながら近づかれると、思わず逃げてしまいます。
なお猫を怖がらせないようにするには、ゆっくりとまばたきをするのがおすすめ!猫の世界でのまばたきは、「親愛」を意味するシグナルなのです。
1‐5.大きな声を出しながら近づいてくる
猫が飼い主を見て逃げるのは、「大きな声を出しながら近づいてくる」からかもしれません。
猫は嗅覚と聴覚が鋭敏で、音や動きに対して敏感に反応します。とくに大きな音や急な動きは、猫にとっては恐怖の対象になりがち…。
そのため飼い主が大きな声を出しながら近づいてくると、猫は身の危険を感じて逃げてしまうのです。
というのも実は野生下での猫は、捕食者と被食者の両方の立場に立たされることが多く、常に周囲の環境に注意を払わなければいけませんでした。
そのような習性もあって、飼い主がどんなに愛情を持って近づいても、その声の大きさだけで恐怖心を抱いてしまう子も少なくないのです。
2.まとめ
猫は人間が想像するよりもデリケートで、日常のちょっとしたことでも不信感を抱きやすい一面をもっています。
もちろん猫にも個体差があるので、まったく動じない子やなにをやってもOKの子もいますが、臆病で慎重だったり迎え入れて間もない場合は、猫への配慮を忘れないようにしましょう!