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新世代を実感!ドゥカティ「959パニガーレ」「モンスター1200R」国内プレス向け試乗会速報

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
DUCATI 959 Panigale

最新のドゥカティこそ最良のドゥカティ

「最新のドゥカティこそ最良のドゥカティ」。現在に続くスーパーバイクファミリーの始祖となった歴史的名車の誉れ高い「916」シリーズを設計した、天才デザイナー、マッシモ・タンブリーニが残した名言だ。

一昨年、惜しくも亡くなったが、元々ビモータの創設者でもある彼はその後、MVアグスタでF4の設計を手掛けるなど、常に斬新な発想で新しいメカニズムと芸術性を融合した作品をモーターサイクルという形で表現していった。

今回、ドゥカティの国内向けプレス試乗会で対面したのはその子孫たち。主役は2台の最新モデル、「959パニガーレ」と「モンスター1200R」である。

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モンスター1200R:凄まじい加速感とコワさを感じない安定感

モンスターから試乗したが、そのマッシブな外観からは想像できないほど、あまりの乗りやすさに仰天した。排気量1200ccのテスタストレッタ11° DS Lツインはサーキット向けにチューニングされた「R」スペックで、最高出力で10%上乗せされたフルパワー160ps仕様(国内表記では150ps)。今シーズンから欧州でユーロ4適用されたことにより、元々の基準が厳しかった国内仕様との差がなくなり、ほとんど手を加えることなく国内投入できるためだ。

スロットルに対するリニアリティが素晴らしく、右手の動きに応じて分厚いトルクが淀みなく流れるように出てくる。最もアグレッシブな「スポーツ」モードだと、コーナー立ち上がりで車体がまだ斜めのままフロントが浮いてくる。

でも車体の挙動は安定していて、コワさを感じないのが不思議。しばらくして凄まじい加速感に慣れてくると、視界の片隅でトラコンのインジケーターが点滅しているのに気付いた。マシンが助けてくれていたのだ。

MONSTER1200R
MONSTER1200R

959パニガーレ:鋭さを持った走り。筋金入りのサラブレッド

一方、959パニガーレの繊細でエレガントな立ち姿はサラブレッドを思わせる。速く走ることだけを追求し続けてきた血統であり、世代を重ねてそれは芸術の域に達していると思えるほどだ。走りも筋金入り。進化したLツイン・スーパークアドロエンジンの緻密さはそのままに、排気量をストロークアップによって稼ぐことで中速トルクを立ち上げている。

ピーク157ps(国内表記147ps)を1万回転超で発揮する高回転型には違いないが、多くのライダーにとってはもっと下の常用域のメリットが大きいと思う。

ハンドリングの切れ味もパニガーレならでは。倒し込みの鋭さとそこでの向き変えの早さは他に類を見ないもので、先に乗ったモンスターRが大らかに思えるほど。剛性感の塊のようなシャーシと高荷重設定のサスペンションはペースを上げるほどに馴染んでくる。

そこまでの高みに自分を持っていくのが大変だが、パニガーレはそれを求めてくるチャレンジングな乗り物ということだ。

959 Panigale
959 Panigale

今回の試乗はすべてサーキットだったので、一般公道でのインプレを語ることはできないのだが、やはりこの2台はサーキットでこそ輝くモデルだと思う。そして、最もドゥカティらしさを体現している。タンブリーニの金言を借りるまでもなく、それを全身で感じられたのだ。

「959パニガーレ」と「モンスター1200R」の詳しいインプレッションは後日掲載いたしますのでお楽しみに。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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