NY金20日:ドル高で戻り売り優勢、小反落
COMEX金12月限 前日比1.60ドル安
始値 1,079.70ドル
高値 1,087.20ドル
安値 1,074.90ドル
終値 1,076.30ドル
為替相場が再びドル高方向に振れたことが嫌気され、小反落した。
アジアタイムは1,080ドル台前半を中心に揉み合う展開になったが、ニューヨークタイム入り後に戻り売り圧力が強まり、小幅ながらマイナスサイドに沈んでいる。特に注目度が高い経済指標の発表などは見当たらなかったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(10月27~28日開催分)で初回利上げ後の緩やかな金利上昇見通しが示されるも、これを手掛かりとしたドル高が続かなかったことが、改めて金相場の上値を圧迫している。
セントルイス連銀のブラード総裁は、失業率が5.0%まで低下したことなどを指摘した上で、今後の米経済は好況期に向かうとの見通しを示した。ただ、金融政策についてはより不確実性があっても良い時代に向かうとして、今後の金利軌道について特に踏み込んだ発言などは行わなかった。また、ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、インフレ率の上昇見通しから近く利上げを実施する準備が整うとの見方を示したが、こちらも今後の利上げペースなどについては特に目立った発言を行っておらず、なお初回利上げ後の金利起動についての議論は深まらない状況にある。
前日は緩やかな金利上昇見通しがドル安・金相場の反発を促したが、特にドル高トレンドの転換が確認できない中、ドル建て金相場は上値の重い展開が続く見通し。来週は7~9月期の米国内総生産(GDP)改定値など月末に向けて重要経済指標の発表が続くため、米経済の底固さが確認できる地合が続けば、ドル建て金相場のダウントレンドは一段と強固なものになるだろう。10月下旬から急落傾向が続いているためにリバウンドリスクには注意が必要だが、1,050ドル、1,000ドルと下値切り下げを打診する展開は維持される見通し。