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オールブラックス2連覇! ついに決勝戦…ワールドカップ取材日記12【ラグビー雑記帳】

向風見也ラグビーライター
ダン・カーター(黒の中央)が決定的なドロップゴールを決める。(写真:アフロ)

ラグビーワールドカップのイングランド大会が9月18日~10月31日まであり、ニュージーランド代表が2大会連続3回目の優勝を果たした。日本代表は予選プール敗退も、国内史上初の1大会複数勝となる3勝を挙げ、話題をさらった。

以下、日本テレビのラグビーワールドカップ2015特設サイトでの取材日記を抜粋(12)。

【10月31日】

決勝戦です。トゥイッケナムスタジアムでは、カラフルな花火が飛び散ります。優勝候補のニュージーランド代表(オールブラックス)が、大勝負の際に繰り出すハカ、「カパ・オ・パンゴ」で魅せます。序盤からラグビーの肝のひとつ、肉弾戦で一進一退の攻防が繰り広げられます。

オールブラックスのブロディー・レタリック選手が、リッチー・マコウ主将が、オーストラリア代表(ワラビーズ)のマイケル・フーパーが、スコット・ファーディー選手が、ジャッカル(密集で敵選手が持つ球を奪うプレー)を試みます。そのまま球をもぎ取ったり、相手の反則を奪ったり。

もっとも、勝ったオールブラックスは強かった。あぁ、基本動作を貫く我慢強さよ!

マン・オブ・ザ・マッチに輝くスタンドオフのダン・カーター選手は、後半29分、鋭いドロップゴールでワンサイドゲームの入り口を作ります。24―17。その後もチームは、チームとしての攻守の規律を守り、34-17で勝ち切るのでした。

ノーサイド。表彰式で、マコウ主将がエリスカップを掲げます。去り際、試合前には披露しなかったいつものハカ「カマテ」で沸かせます。

取材後。広々としたプレスルームも、祭りの後の雰囲気です。会場で支給されたワインを飲みながら仕事をする方や、パソコンで流れる試合映像をヘッドホンなしで閲覧するグループもあります。楽しんでいます。僕も、ワインに口をつけてみます。身体が熱くなる濃度です。

僕はあと2日で、イングランドを発ちます。

【追記】

優勝したニュージーランド代表のフランカー、リアム・メッサムは、この後、日本の東芝入り。「うちが求めていた選手」とは、冨岡鉄平監督の弁。献身的で、全体練習時間外はいつだってジムで汗を流す…。世界一の代表チームの一員が練習の虫、というだけで、クラブに与える影響は大です。

準優勝に終わったオーストラリア代表の司令塔、バーナード・フォーリーはリコーで10番を背負い、「仕掛け、いいですね」(対戦したパナソニックの山田章仁選手)。そしてフランカーやロックをこなすベン・マッカルマンはシャープなジャッカルとボールキャリーでパナソニックを下支え。12日、東京は秩父宮ラグビー場。東芝とパナソニックが激突します。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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