Yahoo!ニュース

リブゴルフ第4戦はC・スミスら6名が新登場。出場しない日本人4名の「これから」が注目されている!?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ゴルフ界を大揺れさせている新ツアー「リブゴルフ」は、9月2日から米マサチューセッツ州ボストン郊外のジ・インターナショナルで第4戦を迎えようとしており、そこには「新たな顔」が登場する一方で、「お馴染みの顔」が見られなくなる。

 PGAツアーのプレーオフ最終戦、ツアー選手権終了後、全英オープン覇者のキャメロン・スミスがリブゴルフへの移籍を正式発表。さらには、ホアキン・ニーマン、キャメロン・トリンゲール、マーク・リーシュマン、ハロルド・バーナー、アニルバン・ラヒリも加わり、合計6名の選手がPGAツアーからリブゴルフへ移り、その全員がボストンの第4戦から出場することが発表された。

 リブゴルフは1試合の出場枠が48名に設定されている。新たに6名が出場するためには、当然ながら、6名が抜ける必要がある。

 どんな方法、どんな仕組みで、抜ける選手が決められるのか。現状では、外部にはまったく明かされていない。

【第4戦の出場者リストに見当たらない日本人4名】

 そんな中、すでにリブゴルフでは「お馴染みの顔」となりつつあった日本人4名が、第4戦では全員出場しないことが英国誌「ゴルフ・マンスリー」によって報じられた。実際、リブゴルフのホームページで発表された第4戦の出場者リストに谷原秀人、香妻陣一朗、木下稜介、稲森佑貴の名前は記載されていない。

 谷原、香妻、木下の3人はリブゴルフの初戦から第3戦までの全3試合に出場し、稲森は一足遅れて第2戦から参戦し、第3戦も出場。「トルクGC」という名前のチームを「オール・ジャパン」4人で構成していたが、「トルクGCはこれからオーバーホールが必要になる」とゴルフ・マンスリー誌は報じている。

【松山は400億円を拒絶!?】

 さらに同誌は、日本のエースである松山英樹がリブゴルフから3億ドル(約416億円)の契約金をオファーされていたと報じ、松山がそのオファーを拒絶してPGAツアー残留を決めたことは「リブゴルフにとって大打撃」と記している。

 そして、リブゴルフ第4戦に出場しない日本人4名は「今後、リブゴルフに戻ってくるのか、それとも欧州、アジア、日本のツアーへ向かうのか?」と、彼らの動向と行く末に注目している様子だ。

【プロアマ禁止、リブゴルフのロゴ禁止】

 その欧州のDPワールドツアーでは、来週9月8日からフラッグシップ大会であるBMW―PGAチャンピオンシップが開催され、そこにはリブゴルフ選手が18名も出場する予定だ。

 DPワールドツアーはリブゴルフへ移った選手を資格停止にしたものの、その処分を科された選手たちは資格停止を一時的に解除する仮処分を裁判所へ申請。米国では同様の申請が審問で全面的に却下されたが、欧州では選手側の訴えが暫定的な処置として認められたため、同大会は出場を希望しているリブゴルフ選手18名を受け入れざるを得ない状況にある。

 だが、DPワールドツアーのキース・ペリー会長は、この18名のプロアマ戦への参加を認めず、リブゴルフのロゴ入りウエアの着用を禁止。彼らを意図的に早朝スタートや午後の遅いスタートにはしないものの、ベストな時間帯にスタートする注目組には入れないことなどを、あらかじめ公表。

 リブゴルフ選手どうしを最大限、同組にまとめ、DPワールドツアーやPGAツアーに忠誠を誓っているローリー・マキロイらと同組にならないよう配慮すると見られている。

【欧州では歓迎されず、米国では出られず】

 端的に言えば、リブゴルフ選手はDPワールドツアーに出場できたとしても決して歓迎されることはないということ。そして、2024年1月に予定されている米国での裁判の判決が出るまでは、もはやPGAツアーには一切出場できず、残る選択肢は、アジアツアーや日本ツアーなど限られた場所だけになる。

 4名の日本人選手のように、リブゴルフに積極的に参加していたものの、途中で出場が途絶えた選手たちには、今後、どんな未来が待っているのか。何かが開かれるのか、それとも閉ざされるのか。

 彼らの動向に、ちょっとした注目が集まっている。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

舩越園子のゴルフここだけの話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週2回程度(不定期)

米国ゴルフ取材歴20年超の在米ゴルフジャーナリストならではの見方や意見、解説や感想、既存のメディアでは書かないことがら、書けないことがら、記事化には満たない事象の小さな芽も含めて、舩越園子がランダムに発信するブログ的、随筆風コラム。ときにはゴルフ界にとどまらず、アメリカの何かについて発信することもある柔軟性とエクスクルーシブ性に富む新形態の発信です。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

舩越園子の最近の記事