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「ガセネタ乱舞」でお馴染みの森山高至さんが「豊洲をカジノに」などと適当な論をブッこいてる件

木曽崇国際カジノ研究所・所長

日刊ゲンダイが、「ガセネタ乱舞」でお馴染みの東京都専門委員・森山高至さんのコメントを引きながら、以下のような報道をしています。

小池都知事に移転中止の秘策 「豊洲カジノ化計画」急浮上

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191016/2

小池知事も国会議員の時はカジノ議連に所属していた推進派。都知事選の最中もカジノ賛成を聴衆に呼びかけていた。そこで、カジノ第1号の候補地のひとつとして豊洲市場の跡地が急浮上しているという。当初、有力視されていたお台場は、カジノに消極的な舛添前知事が都用地を外資系企業に貸与してしまい、計画が頓挫。建築の専門家から見ても、豊洲はカジノ用地に最適らしい。

建築エコノミストの森山高至氏がこう言う。

「私は取り立ててカジノ推進派というわけではありませんが、豊洲へのカジノ誘致は合理的だと考えます。例えば、外資系のカジノ運営会社などに用地を貸与し、ホテルやカジノ場を建設してもらえば、都の負担はほとんどない。豊洲市場に費やされたムダな税金約6000億円のうち、土地の賃料だけでどれだけ回収できるか分かりませんが、コスト削減にはつながると思います。土壌汚染対策が不十分な今の市場予定地は生鮮食品を扱うのには適していませんが、レジャー施設なら深刻な問題にはならないでしょう」

こういう適当なネタをぶっこいて世間の耳目を集めるのがビジネスモデルとはいえ、「豊洲市場はカジノに最適」とか…。あなた、少し前まで豊洲市場は「東京都立マンガ喫茶にすべき」とか言ってませんでしたっけ?以下、同氏のtwitterアカウントを参照。

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最近ではこの森山氏のいい加減な論に乗っかって、「豊洲をカジノに!」とか言い始めている関東側のカジノ関係者もいるようではありますが、大変申し訳ないですが豊洲市場の立地はカジノ開発には全く向いていません。

東京都内にお住いの皆さんは御存じだと思いますが、豊洲市場を囲む豊洲、晴海、東雲の3地域は現在、東京都内でも最も急速に宅地造成が進んでいる地域です。特に近年、この地域に増加しているのが富裕層の子育て世代。それもあってか、この地域には豊洲市場を囲んで以下のように沢山の子供向けの文教施設が存在しています。

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こういう地域というのは、そもそもカジノを初めとする賭博施設の開発には向かない立地なのであって、そういう常識的な感覚を持たずに「豊洲市場はカジノに最適」とか適当な論をぶっこく森山氏がいい加減ならば、それの論に乗っかって「豊洲をカジノに!」とか煽ってるカジノ関係者とやらは、本当はカジノの事なんかなんも判ってないということであります。

ということで、東京都専門委員の森山高至氏におかれましては「豊洲市場はカジノに最適」などと新たなデマを振りまく前に、まずは己がこの数か月間に亘って振りまいた「豊洲市場の床は抜ける」だの「マグロが切れない」だの「ターレーが曲がれない」だのという数々のデマをご自身で回収してください。そしていち早く、東京都の市場問題プロジェクトチームという公的な場で、これまでまき散らした数々のデマを糾弾されて親指を立てながら溶鉱炉の中に沈んでゆかれることを心より祈念しております。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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