【河内長野市】4年ぶり!長野神社の秋の火祭り「松明立て(タイマツタテ)」が本来の姿でありますよ。
河内長野は7割が山と言われ、谷の部分に集落があるため、新興住宅地ができるまでは谷同士の行き来は今とは想像できないほど大変だったと考えられます。そのためだからでしょうか?だんじりとは異なる神事や伝統芸能がその土地土地にありますね。
例えば長野神社の松明立て(タイマツタテ)もそのひとつ。河内長野駅の近く、長野地域に鎮座する歴史ある神社ですが、長野神社のイメージとしては長野戎(十日戎)が、とにかく賑やかなので、そちらの印象が強いかもしれません。
しかし、長野神社は秋に大祭が行われます。河内長野市の公式ページ(外部リンク)によれば、この松明立ては毎年10月11日に行われる秋祭りの大祭の前、一週間ほど前に立てられるものとのこと。火祭りの要素をもった「神迎えの神事」なのだそうです。
南北朝時代に長野神社に御神体を勧請(かんじょう:御霊を分けてもらう事)をする際に、夜に松明でお迎えした事がきっかけとの伝承が残っているそうで、記録としては江戸時代、1701(元禄14)年のものがあり、少なくとも300年以上前から行なわれているとのこと。
とはいえ、2年前に行ったときはコロナ禍という事もあり、画像のような縮小版で準備されていました。
神事そのものは行なわれており、画像のような木の札に祈願するべきことを記入し、10月11日の秋祭り大祭当日に火を入れて燃やします。
当日の午前中に行きましたが、縮小版のため、早い時間で終わっており、微かに火が残った状態で札などは燃え切った状態でした。状況が状況だけに仕方がなかったのですが、ちょっと寂しい気がしたものです。ちなみに昨年もこのような縮小版で行われたそうです。
しかし、今年は久しぶりに本来の形での松明立てが行われるという情報を得ました。10月1日に高さ約5m、胴回り約4.5m本来の大松明がつくられたとのこと。2年越しにとても気になっていましたので、先日長野神社に見に行ってきました。
長野神社に入ろうとすると、すでに境内の中に大きな松明が見えています。
昨年までとは違います。とても高い松明立てが立っています。
私はこれを初めて見ました。これが11日に火がつけられて焚かれるわけですね。
近くから見上げてみました。一番上に傘が乗っています。過去の写真を見ると、この傘に火をつけて中に火が付くようになっていました。
下を見てみましょう。周囲はしめ縄で結界が張られ、盛り土の中に立っているのがわかります。
中に杉の葉が見え隠れしています。杉の葉が一気に火を広げる役目を果たします。
お焚き(火をつける)日時が書いてあります。10月11日午前10時からとのこと。今年はぜひ見ておきたいですね。
2年前に河内長野市からお借りした画像ではこのように火がつけられ、松明が勢い良く燃えていく様子が映し出されていました。
宗教の違いはありますが、火で願い事を書いた札を一斉に燃やすという意味においては、先月の28日に滝谷不動明王寺で行われた修験道の火祭り(紫燈大護摩供)に近いものがあるかもしれません。
実際に大阪府内にある別の火焚き神事と同種の神事との記載を見つけました。滝谷不動はでてきませんが、豊中市にある上新田天神社のトンドまつりや池田市や五月山で行われるがんがら火祭り(愛宕火)が近いものであるとのこと。
滝谷不動明王寺のものですが、火が燃え広がる瞬間を動画に撮っています。今年、フルスペック(本来の姿)の状態になった松明立てもこのような勢いで、火が勢いよく燃えていく様子が見られるかもしれません。10月11日の午前10時が楽しみです。
長野神社
住所:大阪府河内長野市長野町8-9
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩3分
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