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【マラソン】鈴木「失敗を恐れず挑戦したい」一山「積極的な走りができたら」夫婦で世界での活躍を誓う

和田悟志フリーランスライター
鈴木健吾(左)と一山麻緒(右)。夫婦そろって世界での活躍を誓う(NIKE提供)

 ナイキの最新ランニングシューズ、ナイキ エア ズーム ペガサス 39の発売を記念したメディア向けセッションがオンラインで開催され、マラソンランナーの鈴木健吾(富士通)、一山麻緒(資生堂)夫妻が登場した。

 2人は、3月6日の東京マラソンに夫婦そろって出場し、それぞれ男女の日本人トップとなり、同一大会夫婦合計のギネス記録をも打ち立てた。そして、昨年創設された「ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズ」の男女の初代チャンピオンに輝き、今夏のオレゴン世界選手権代表の座を射止めた。

体の状態やペースに合わせてシューズを履き分けることが大事

 2人ともレースではナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%を着用しているが、普段のトレーニングで活用しているのがナイキ ペガサスシリーズだ。

「(1kmあたり)5分ぐらいのゆっくり走る時から、4分から3分半ぐらいまでの速めのジョグまで履けるシューズだと思います。汎用性が高く、万能なシューズなので、これ1足あれば何とかなるなと思えます」と鈴木。

「反発が強すぎず、なさすぎず、軽快に走ることができる。(アップデートされた「39」は)初めて足を入れた時にすごく柔らかく、走りだしても、地面の硬さが直接足に伝わらない。その柔らかさが気に入りました」と一山。

 普段は一緒にジョギングをすることもあるといい、その際にも愛用しているようだ。

 また、レースとトレーニングという区分だけでなく、体の状態やトレーニングの強度に応じてもシューズを履き分けることを2人は大切にしている。

「1つのシューズだと鍛える部位が偏ってしまうが、シューズを履き分けることで、いろんな部位をしっかり強化できる。これが履き分けのメリットだと思います」と鈴木は話した。

 一般ランナーに向けて、シューズ選びのアドバイスも送った。

「厚底シューズが流行っているが、厚底を履けば誰でも速く走れるわけではない。それぞれに合う・合わないシューズがある。自分に合っているシューズを選んで履いてほしいと思います」と一山。

「まずは自分に合っているか、試してみて。また、好きな見た目や色で選んでも良いと思います」と鈴木が言うように、お気に入りの1足を見つけることは、日々のランニングのモチベーションアップにもつながるだろう。

夫婦でオンラインセッションに登場(NIKE提供)
夫婦でオンラインセッションに登場(NIKE提供)

 鈴木、一山ともに、東京マラソンの激戦の後には3週間の休養を挟み、「買い物したり、好きなものを食べたり」してリフレッシュしたと言う。世界選手権までおよそ3カ月となり、ここからはいよいよ本格的なマラソントレーニングに移っていく。

 今夏の世界選手権はアメリカ・オレゴン州ユージーンで開催される。

「ナイキアスリートにとって聖地なので、楽しみにしています。本社にも行ってみたい」と鈴木が言うように、同地はナイキの創業の地でもある(現在のナイキ本社は、同州ビーバートン近郊にある)。

「(シニアの)日本代表は初めてなので、失敗を恐れずチャレンジしたい」(鈴木)

「昨年のオリンピック(8位入賞)での悔しい思いがあるので、オリンピックと同じような走りではなく、積極的な走りができたらと思います」(一山)

 両者とも世界選手権での活躍を誓った。

ナイキのDNAともいえるランニングシューズがアップデート

 ナイキ ペガサスは、1983年に初登場したナイキを代表するランニングシューズだ。

 ファンランナーにとってはジョギングからレースまでを賄えるシューズとして、エリートランナーにとってはトレーニングシューズとして、世界中の多くのランナーの支持を集め、これまでアップデートを重ねてきた。

 そして、今年4月29日には最新作のナイキ エア ズーム ペガサス 39が一般発売される(21日からメンバー先行発売)。

最新作のナイキ エア ズーム ペガサス 39。2人が手にしているのはメンズのキーカラー。機能はそのままに、着脱を容易にしたフライイーズも同時発売となる(NIKE提供)
最新作のナイキ エア ズーム ペガサス 39。2人が手にしているのはメンズのキーカラー。機能はそのままに、着脱を容易にしたフライイーズも同時発売となる(NIKE提供)

「39」では、ナイキを代表するテクノロジーであるズームエアユニットが、前足部と踵の2箇所に設置された(前モデルは前足部のみだった)。踵にも搭載したことで、より反発性が高まり、着地から蹴り出しまでよりスムーズな体重移動が可能になった。

 その他にも様々なテクノロジーが惜しみなく搭載されている。

 フライワイヤー テクノロジー(靴紐を通しているワイヤー状のケーブル)と中足部のミッドフットのバンドを組み合わせて、一人ひとりの足に合わせ、圧迫感を減らしほどよいフィット感を提供。足とシューズとの一体感を高めている。

 アッパーは、一般ランナーを対象に「どの部位の通気性を確保したいか」を調査し、通常のメッシュよりも柔軟かつ強度があるエンジニアードメッシュを用いている。ソールにはフレックスグルーブ(屈曲溝)を新たに加えることで、スムーズな体重移動を促す。

 全てのランナーに快適な走りを提供するというコンセプトは初代から変わらない。そうでありながらも、このようにテクノロジーの進化に伴って、シューズ自体も改良を重ねてきたことが、多くのランナーに受け入れられている理由なのだろう。

 来年には「ペガサス」は40周年を迎える。これ以上の改良の余地がどこにあるのかと疑問を持ちたくなるが、おそらく来年は来年でまた、驚きのあるシューズが登場するのだろう。その前に最新作のナイキ エア ズーム ペガサス 39で存分にランニングを楽しみたいと思う。

フリーランスライター

1980年生まれ、福島県出身。 大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。 その後、出版社勤務を経てフリーランスに。 陸上競技(主に大学駅伝やマラソン)やDOスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆。大学駅伝の監督の書籍や『青トレ』などトレーニング本の構成も担当している。

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