Yahoo!ニュース

寸劇ありの面白アイドルBEYOOOOONDS。「?」と不仲からの顛末と実力アピール

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(左から)一岡伶奈、高瀬くるみ、清野桃々姫 撮影/河野英喜

アイドル界の名門ハロー!プロジェクトから、寸劇の入ったパフォーマンスなど独自の路線を行くBEYOOOOONDS(ビヨーンズ)。デビュー3周年の今年は日本武道館公演も開催。2ndアルバム『BEYOOOOO2NDS(ビヨーンズ セカンド)』では音楽性の広がりも見せている。3ユニット・12人から成るグループの原型だった一岡伶奈、高瀬くるみ、清野桃々姫に黎明期から現在までを語ってもらった。

昔は無理やりだったことが自分たちの色に

――BEYOOOOONDS結成のだいぶ前、こちらの3人で特技コラボ動画を上げていました。山手線×ボイパ×殺陣という(笑)。

高瀬くるみ 「私たちはどこに向かっていくんだろう?」と思っていました(笑)。それぞれの特技を披露するならわかりますけど、なぜ三つを無理やり掛け合わせるのか? “?”が浮かんだまま撮っていました(笑)。

――当時は「何だ、これ?」と思いましたけど、今観ると、BEYOOOOONDSのノリの原点になっていませんか?

清野桃々姫 確かに当時は私たちも「何をしているんだろう?」と思っていたのが、今あの動画をやるとなったら、まったくおかしくない感じですね(笑)。

高瀬 腑に落ちちゃいます(笑)。

――のちに雨ノ森 川海に繋がる新セクションと発表されたくるみさんと桃々姫さん、CHICA#TETSUに繋がる新グループのリーダーと発表された伶奈さんは、BEYOOOOONDSの母体になったわけですが、その後いろいろあって、メジャーデビューから3年。現在は当時イメージしていた活動ができていますか?

高瀬 新セクションはハロプロでない可能性もあって、不安も大きかったんです。数年後にこんな幸せに活動できているとは、想像できませんでした。BEYOOOOONDSはなかなか変わったことをしているグループですけど(笑)、今はこれが私たちの色だと、自信を持てるようになりました。

一岡伶奈 当時の想像を遥かに越えています。名前が決まる前のCHICA#TETSUと雨ノ森が一緒に活動していくことも、寸劇をやることも(笑)、思いもしませんでしたから。私自身、メンバーが誰もいないのにリーダーということだけ決まっていて(笑)、性格的にも上に立つタイプでなかったのが、今はメンバーに支えてもらいながら、楽しく活動できています。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

3人の間に壁があってピリピリしていました

清野 今の形になる前、私たち3人はピリピリしていました(笑)。この先どうなるかわからない不安が大きくて、3人で楽曲を歌っても合わなくて、怒られることがすごく多かったんです。当時のオフショットを見返しても、3人での写真は1枚あるか、ないか。しかも、奇跡的にあった1枚でも、ぎこちない笑顔をしていて(笑)。

高瀬 心の距離を写真から感じます。

清野 私自身、今は元気で明るい、面白いという印象があると思いますけど……。

――“パリピ”と言われていますね(笑)。

清野 そうなんです(笑)。でも、当時は中1で人見知りでした。楽屋でも話さなかったよね?

一岡 3人で笑い合うことはほとんどなかったです。

高瀬 極端な言い方をすると、敵になるか味方になるか、わからない人たちだったので。特に一岡伶奈ちゃんは絶対別々になると思っていたから、距離がより遠くて。

一岡 壁が5枚くらいありました(笑)。

高瀬 そんなに(笑)? 一緒にBEYOOOOONDSになっても、CHICA#TETSUと雨ノ森が基本で、たまに集まるのかと思っていたら、実際は逆だったんです。

一岡 そういう形も今までなかったですよね。昔のモーニング娘。おとめ組さん、さくら組さん以来?

高瀬 オーディションから3人が加わって、12人のBEYOOOOONDSが基本になって。私たち3人はピリピリしながらも苦しい時期を一緒に過ごしてきた分、お互い愛着が沸きました。今は同志のような感覚がすごくあります。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

アイドルになって講釈師の勉強をするとは(笑)

――BEYOOOOONDSの路線については、どう思いました?

一岡 驚きの連続でした。最初、『眼鏡の男の子』をやると言われたとき、「あれあれ? 台詞がある? 何これ?」という(笑)。

――まさに『こんなハズジャナカッター!』の歌詞のままに?

一岡 本当にそうですね。

高瀬 私たちはもともと、新セクションに小劇団っぽい要素が入ると言われていたので、「お芝居をやるんだ」くらいにしか思いませんでしたけど。

一岡 今はBEYOOOOONDSといえば寸劇、みたいな代名詞になりましたけど、初披露した瞬間は一生忘れられません。

高瀬 微妙な空気がね(笑)。

一岡 リハーサルから一生懸命やっていても、合っているのかわからなかったし、本番でパフォーマンスを始めたら、お客さんがザワザワし出したんですよ。「何が始まったんだ?」という感じで。

――桃々姫さんは講釈師として、出だしを担当したから責任大でしたよね?

清野 ビックリしました! ハロプロに台詞のある楽曲は多いですけど、講釈の台詞なんて、ないじゃないですか(笑)。

――ハロプロに限らず、なかなかないかと(笑)。

清野 最初のレッスンでは本当に掴めなくて、講釈師さんの映像を「勉強して」と送っていただきました。まさかアイドルになって、こんなことができるとは思っていませんでしたけど(笑)、最初は恥ずかしさのほうが勝っちゃっていました。初披露のときは、私が「あ、さてさて」としゃべり出した途端、お客さんがザワついたんです。「ヤバい!」と思いながら、噛まないように言ってました。

――結果、「面白い」と評判を呼びました。

一岡 今後もこういうことをやっていくのか、『眼鏡の男の子』で終わりなのか。そのときはわかりませんでした。でも、ずっと寸劇をやってきて、BEYOOOOONDSになくてはならないものになりました。

一岡伶奈(いちおか・れいな)1999年2月25日生まれ、東京都出身 撮影/河野英喜
一岡伶奈(いちおか・れいな)1999年2月25日生まれ、東京都出身 撮影/河野英喜

生肉をバリバリ食べるワンちゃんのイメージで(笑)

――一方、今回の2ndアルバムで音楽性の広がりが見られました。すでにライブで披露している曲も含め、新曲でお気に入りはありますか?

清野 私は『Hey!ビヨンダ』です。AIの声で私のトークボックスをフィーチャーしてもらいました。シングルの『激辛LOVE』で初めてトークボックスを使わせていただいて、1年半くらい経って、またできるとは。最初は趣味で始めて、曲になるなんて思ってもいなかったので、嬉しかったです。

高瀬 1曲目の『虎視タンタ・ターン』はバブリーダンスで有名なakaneさんの振付で、バキバキに踊って、今までにない動きもたくさん入っています。なおかつ、歌でもフェイクがあったり、新しい要素がすごく多くて。

――ダンス☆マンさんがアレンジした、ブラック系ディスコチューンですね。

高瀬 初回盤に付くブルーレイに入っているMVは、私たちには珍しくダンスショットがメインです。

――面白いイメージの強いBEYOOOOONDSのパフォーマンス力を見せていると。

高瀬 ダンスで魅せることに挑戦しました。とはいえ、頭とお尻には寸劇を入れていますけど(笑)、ダンス自体に持ち味のコミカルさが出ています。akaneさんの振付との相性が良かったと感じています。

――桃々姫さんは<噛みちぎっちゃえ>というパートがあります。

清野 あそこは歌いたかったので、頑張りました。噛みちぎりたかったんです(笑)。耳が悪い時期にレコーディングして、自分の声があまりわからなかったんですけど、聴いてみたら「これ、いいな」と思いました(笑)。

――何かをイメージして歌ったんですか?

清野 最近、TikTokとかで、生肉をバリバリ食べているワンちゃんの動画がいっぱい出てくるので。そのイメージで、ワイルドさを出しました(笑)。

清野桃々姫(きよの・ももひめ)2004年12月22日生まれ、東京都出身 撮影/河野英喜
清野桃々姫(きよの・ももひめ)2004年12月22日生まれ、東京都出身 撮影/河野英喜

カスタネットを叩いて日本武道館で一体感が生まれました

一岡 私は『涙のカスタネット』が好きです。日本武道館で初披露したんですけど、カスタネットを使うのが斬新で、BEYOOOOONDSならでは。事前に練習用の動画を上げて、会場でグッズとして販売したら、ハロプロのファンの方はリズム感が良いので、うまく叩いてくださって。私たちもカスタネットを叩きながら踊って、声が出せない状況で一体感を生み出せました。

――でも、16ビートを叩くのは難関ですよね(笑)。

一岡 メンバーもなかなかできません(笑)。

高瀬 人生でカスタネットで16ビートを刻むことなんて、ないじゃないですか(笑)。でも、ファンの方たちが諦めずに練習してきてくれるのが嬉しくて。回数を重ねるごとに、私たちより皆さんのほうがうまいと思ってしまうくらいです。

――くるみさんは出だしの「みんな準備はいいかい?」からの台詞を担当していて。

高瀬 その台詞は狙っていたので、「絶対獲ってやる!」と気合いを入れてレコーディングしました。初披露が武道館と決まっていたので、何千人を前に煽るイメージで。実際アンコールの1曲目でやったときは、クールにキメるつもりだったんです。でも、メンバーを引き連れて先頭に立って言うのが気持ち良くて、ニヤニヤが止まりませんでした(笑)。

高瀬くるみ(たかせ・くるみ)1999年3月16日生まれ、栃木県出身 撮影/河野英喜
高瀬くるみ(たかせ・くるみ)1999年3月16日生まれ、栃木県出身 撮影/河野英喜

コメ派かパン派かの歌でかわいさを出して

――他の曲でも、もらって嬉しかったパートはありますか?

一岡 『オンリーロンリー』の出だしの<あぁ なんだかひとりになりたい気分>は、レコーディング前に「ここを歌いたいです」と言って、録り始めました(笑)。私は出だしを歌うことはあまりなかったんですけど、この曲調が大好きだったので。

――確かに良い曲ですよね。ライブのラストに合いそう。

一岡 めちゃめちゃ良いんです! コロナ禍で、人に会うことや一緒に何かすることが当たり前でないと知ったからこそ、グッとくる歌詞です。

高瀬 私は<また遊ぼうね>と言っているのが、すごく好き。ライブを“観に来てね”だと一方通行ですけど、“遊ぶ”だと一緒に何かする感じがします。

――それで、くるみさんが歌えて嬉しかったパートは?

高瀬 『Never Never know~コメ派とパン派のラブウォーズ~』で、1サビ前の<喧嘩はやめよ?>をいただきました。私はかわいらしさを求められるタイプではなかったんです。でも、3rdシングルの『英雄~笑って!ショパン先輩~』で「かわいいもできるの?」みたいになって。『Never Never know』は曲自体がかわいらしくて、全編ウィスパーボイスでコソコソ話すように歌っています。その中でも、「かわいい感じでやったらどうなる?」と言われて録ったテイクが使われて、嬉しかったです。

――これも今までなかったタイプの曲ですね。

高瀬 振付の先生にも「BEYOOOOONDSにこんなかわいい曲が来ると思わなかった」と言われたくらいで、私たちもビックリしました。歌詞をよく聴くと、朝食をごはんにするかパンにするかの話で、納豆ネタも“ビヨーン”ズっぽいですけど(笑)。でも、主人公は「私はコメ派だけどパンと7:3でもいいわ」と言っていたり、健気なんですよね。その女の子の気持ちで歌いました。

――皆さんはどっち派ですか?

高瀬 10代のときはパン派だったのが、20歳を過ぎてからコメ派になりました。納豆もかけています。でも、トーストに納豆をかけてもおいしいですよ(笑)。

清野 私はバナナ派です(笑)。

一岡 コメかパンならコメ派ですけど、朝食はレモン水です(笑)。最近は野菜もちょっと摂るようになりました。健康を意識しつつ、オシャレっぽく(笑)。

フェイクを何10テイクも録りました

――桃々姫さんは、さっきの<噛みちぎっちゃえ>以外にもありますか?

清野 UNIT盤のほうの雨ノ森 川海の『循環』のラストのフェイクを狙っていました。この曲はみんな何テイクも録って、それぞれ苦戦したところがあったと思いますけど、私はこのフェイクを何10テイクも録りました。泣きのパターンから、ちょっと笑ったパターンまで。たくさん挑戦した甲斐がありました。

――『循環』は深い曲ですね。

清野 雨、森、川が巡っていて。

高瀬 雨ノ森 川海は正統派でない恋愛ソングを歌いがちなんです。

清野 今回のもう1曲の『ヤバイ恋の刃』はロック調で。

高瀬 でも、『循環』は神話がモチーフ。いろいろ説明を受けながらレコーディングしました。自分では今までの強めな楽曲からガラッと変わったイメージだったんです。でも、SeasoningSの小林萌花ちゃんが「主人公の女の子がちょっと大人になったけど、根本は変わってないように感じる」と言ってくれて。確かに、愛が重い感じは共通していると、腑に落ちました。路線変更が受け入れてもらえるか不安だったのが、聴いてくれる方によって、感じ方はいろいろなんだなと。

アップフロントエージェンシー提供
アップフロントエージェンシー提供

珍しいアルバムですけど自信を持ってオススメします

――CHICA#TETSUの新曲は今回も駅シリーズで『待ち合わせはJR梅田駅で』になりました。伶奈さんは東京圏以外の鉄道も詳しいんですか?

一岡 やっぱりよく知っているのは関東です。でも、大阪では関東になかなかないガタイのラピートが走っていますし、色も青や赤の車両が多くて。実際に乗ることは少なくても、いろいろ見るようにしています。だから、JRの梅田駅はないことは知っていたんですけど、曲名を見たら、知識が間違っていたのかなと思って。でも、曲を聴いたら、合っていたので安心しました(笑)。

――その豆知識が台詞になっています。

一岡 短い間奏の中にすごく言葉を詰め込んでいるので、コンサートで噛まないかが一番不安です(笑)。

高瀬 たぶん過去イチの台詞量だよね。

一岡 今までも寸劇で台詞が多い分、噛んだり言葉が出ないことが10回に1回くらいあったので。

高瀬 そんなにあった(笑)? でも、今回の台詞は事実の情報だからね。

一岡 間違えるわけにはいきません。CHICA#TETSUではかわいい系の曲をいただいてきて、今回もそうですけど、<イライラしてきた>とか<もうええわ!>とか怒りが入っていて、新しい表現ができそうです。

高瀬 西田汐里ちゃんや江口紗耶ちゃんの関西弁の台詞が、新たなかわいさだなと思いました。

――伶奈さんは実際、梅田駅辺りで迷ったことは?

一岡 あります。近い距離にいろいろな駅があって、下調べをしても絶対迷うので、観光なら30分は余裕を見たほうがいいです。でも、アルバムの聖地巡礼をする方は、一度何も調べずに行って迷うと、この曲とリンクします(笑)。

――くるみさんから「ダンスで魅せる」という話が出ましたが、アルバムでBEYOOOOONDSの実力をアピールしたい気持ちもありますか?

一岡 あります。1stアルバムから3年近く経って、メンバーの成長も感じてもらえますし、曲ごとに違った色があって。1曲1曲の声色や表現に、みんなの途轍もないものが出ていて、自信を持ってオススメできます。

高瀬 Interlude寸劇というものが入っていて、声だけでキャラクターやお話を表現することにもチャレンジしました。Interludeって“幕間”みたいな意味で、この寸劇を聴くことで曲がより面白くなったり、世界観に入りやすくなります。アルバムに寸劇を1コ入れることもなかなかないのに、私たちは5コも入れていて(笑)、珍しいアルバムになったと思います。

アップフロントエージェンシー提供
アップフロントエージェンシー提供

6歳も上なのを忘れていました(笑)

――今年は春、夏とツアーもありましたが、移動中や宿泊先で面白いことはありましたか?

高瀬 バス移動のとき、みんな疲れていたんですね。

清野 そういうとき、私たちは逆に楽しくなりがちなんです(笑)。

高瀬 小さい子が箸が転がっても笑うというじゃないですか。たぶん、そういう状況になるんです。

清野 そのバスの中では、なかやまきんに君さんのモノマネが流行っていて。ずっとみんなで、うるさいくらい「ヤー!」「パワー!」「ハッ!」とやってました(笑)。

高瀬 最年長と最年少が同じことでケラケラ笑って。あとで考えたら「何が面白かったんだろう?」と思いますけど、その瞬間はお腹が壊れるくらい笑っていました(笑)。

――最年少の桃々姫さんとしては、普段は最年長のくるみさん、伶奈さんはお姉さんに見えますか?

清野 うーん…………。

高瀬 悩まないで(笑)!

清野 いや、6歳差なのを忘れていたんです(笑)。一岡とは一緒にラジオをやっていて、くるみんも雨ノ森で一緒にいると、大人だと思うことが少なくて。

高瀬 ハハハハ(笑)。

清野 悪い意味でなくて、普通に馴染んでいるので。今言われて「そうか。お姉さんなんだ」と不思議な気持ちになりました。23歳の人と日常で接する機会はなかなかないので、実は貴重な経験で、学んだこともあります。

――たとえば?

清野 提出物を出すのが早い、とか(笑)。一岡は電車の時刻表を教えてくれたり、くるみんはMCの立ち回りを考えてくれたり。改めて振り返ると「さすが最年長」と思うことは多いです。

アップフロントエージェンシー提供
アップフロントエージェンシー提供

最年長でもグループの中では子どもでいられて

――逆に、2人から見ると、桃々姫さんは妹っぽい感じもあります?

一岡 でも、最年少の桃々姫と岡村美波ちゃんはしっかりしています。意見を言うときの言葉も的確で。

高瀬 私が6歳下ではないかと思えます(笑)。

一岡 私は知らないことが多い分、「これ知ってる?」と教えてくれたりもします。

――伶奈さんはヒレカツのヒレを魚のヒレと思っていたとか、逸話がいろいろありますね(笑)。

一岡 お恥ずかしい……(笑)。

清野 この前も「バイ肉って何の肉だ?」と聞いたんです。そしたら「馬の胃の肉?」みたいな(笑)。「梅肉と書くんだよ」と教えてあげましたけど、面白いですね。

一岡 漢字の梅を“バイ”と読むのはわかるんですけど、“肉”が付くと、言葉はまどろっこしいなと思います(笑)。本当は最年長23歳の私が知ってないといけない雑学を、最年少の17歳から学ぶありがたい日々です(笑)。

高瀬 私も外に出たら、大人として振る舞わなければいけませんけど、BEYOOOOONDSでは子どもでいられます。みんな自立しているから甘えることもできて、年齢を感じないグループなのがすごいなと思います。

――ちなみに、桃々姫さんは自分の名前はずっとお気に入りだったんですか?

清野 自分が桃々姫であることを、4歳くらいまで認識できていなかったんです(笑)。家では「ももたん」と呼ばれることが多かったので。でも、自分ではお気に入りです。学校で良く言われないこともありましたけど、イヤだと思ったことは一度もなくて、「いい名前じゃない?」と貫き通していました。

――名前に似合う成長をされましたけど、“姫”がプレッシャーにもなりませんでした?

清野 “桃々姫”というのが概念すぎて(笑)。この名前=私で、あまり姫は気にしてなかったです。でも、プリンセスっぽい素敵な女性にはなりたいです。

一岡 プリンセスもいろいろだからね。

清野 このまま個性的なプリンセスでいけたらと思います(笑)。

撮影/河野英喜
撮影/河野英喜

これからも固定観念に捉われず趣味も活かして

――幅を広げているBEYOOOOONDSですが、今後強化したいことはありますか?

高瀬 今の路線は貫きつつ、より可能性が広がるように、それぞれ努力していけたらと思います。BEYOOOOONDSでは桃々姫が趣味で始めたトークボックスが楽曲に反映されたり、伶奈が鉄道の番組に出させてもらったり、メンバーが持っているものを活かして何かすることが多いんです。

――くるみさんも声優活動をしていて。

高瀬 私はまだペーペーですけど、自分を磨くほど、グループの方向も広がっていくので。今までも固定観念や枠に捉われないことをしてきたので、これからも見ている方たちをビックリさせていけたら。

清野 趣味や特技にウェルカムな環境がすごくいいんですよね。スタッフさんからも「やりたいことがあったら教えて」と言っていただいています。「こんなこともできるんだ」と言われることを、ずっと出し続けていきたいです。

一岡 鉄道も頑張ります(笑)。

アップフロントエージェンシー提供
アップフロントエージェンシー提供

BEYOOOOONDS(ビヨーンズ)

2018年にハロプロ研修生で結成されたCHICA#TETSU、雨ノ森 川海に、「ハロー!プロジェクト“ONLY YOU”オーディション」合格者による12名で結成。2019年8月にシングル『眼鏡の男の子/ニッポンノD・N・A!/Go Waist』でメジャーデビュー。同年の日本レコード大賞で最優秀新人賞。2022年4月に日本武道館で単独公演。『BEYOOOOONDSのDOYOOOOOB!』(NACK5)で一岡、清野がパーソナリティ。11月11日~20日に演劇女子部『ビヨサイユ宮殿』を上演(こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ)。

『BEYOOOOO2NDS』

9月28日発売

初回生産限定盤(2CD+BD) 6600円(税込)
初回生産限定盤(2CD+BD) 6600円(税込)

通常盤(2CD) 3300円(税込)
通常盤(2CD) 3300円(税込)

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

斉藤貴志の最近の記事