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ガンバ大阪がモンテディオ山形を征し、CS出場権を獲得!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

11月22日、J1リーグ2ndステージ最終節が行われ、ホームにモンテディオ山形を迎えたG大阪は、後半、大森晃太郎の2ゴールを皮切りに、ゴールラッシュで4-0と圧勝。かねてから「ここが僕にとっての唯一無二のホームスタジアム」だと語っていた宇佐美貴史は、同競技場におけるリーグ戦でのラストゲームに、4ゴール中3ゴールに絡む活躍を魅せ勝利の立役者となった。この結果を受け、またチャンピオンシップの出場権を争っていたFC東京が引き分けたことで、G大阪の年間3位が確定。CS出場を決めた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

たくさんのサポーターがホーム最終戦にきてくださって感謝しています。1年間。なかなか難しい試合もありましたが最後の最後まで選手を後押し、サポートしてくれて本当に感謝しています。

今日の試合については、万博最後の試合ということで、選手は当然そのことを理解してくれていた。(CSへの出場は)FC東京の結果次第でというところでしたが、選手には試合前にそういう流れを作るためにも、我々がどういう試合をするか、少しでも目に見えない相手にプレッシャーをかけられるような試合をできるかにかかっているぞ、と送り出した。なかなか前半は思うようにゲームをさせてもらえず、ただ、途中交代の二人が流れをかえてくれました。そのへんも、今シーズン、ずっと誰がでてもということでやってきましたし、ただ苦しい時期は、なかなか途中交代の選手が流れを変えられなかったという時もあったとはいえ年間を通して選手全員が切磋琢磨して、精進してくれたおかげで、今日の試合を勝利で終えられる事ができたんだと思っています。また今日そうして1年間戦ってきた結果、成果が、最後CSのチケットを我々に、サッカーの神様が与えてくれたのかなと思っています。シーズンはまだまだ続きますので、しっかりと気持ちを切り替えて、浦和戦に照準をあわせてサッカーの試合、練習をできる喜びを感じながら、1週間、準備して行きたいと思っています。

ー後半長沢選手を入れて、宇佐美2列目に据えた狙いを教えてください。

ゲーム展開によっては前線に起点があったほうがいいと思っていました。倉田が前半で腰を痛めて、少し様子を見ながらでしたが、かなり痛そうだったので貴史を1.5列目に下げました。また、オ・ジェソクも前節、左サイドでいいパフォーマンスだったんで右で使いましたが景色がかわったせいか、なかなか思うようにビルドアップができなかったので米倉いれて、より前にというところを求めた。それにより非常に、前線に起点ができて、また、貴史も一番前をやるよりは、1.5列目の方が自由に動けるのかなという印象を受けました。

●二川孝広

(リーグ戦最後の万博となりました)気を遣ってもらったのかな、と(笑)。でもリーグ戦では最後だったので、立ててよかったです。チャンスがあれば追加点を獲りたいなと思っていました。(万博の思い出は?)ゴール裏もあそこまでたくさんお客さんが入っていなかったしそれが毎試合、入るようになって、増えて来たな、というのはあります。(試合として覚えているのは?)結構劇的なゴールで勝ったりということは万博では何度もあったのでそれは印象深いです。(CS出場が決まったことについては)またチャレンジできるのでしっかり勝って次に繋げていきたい。

●長沢駿

(後半しっかり前で起点になりましたね)そうですね。入る時に監督には僕とヨネに「やってこい!」と言われていたし、最近はコンディションもいいので自信を持ってやれていたかなとは思います。ヨネと二人で結果を残せてよかった。(ゴールについて)貴史が内巻きのクロスは相当狙っていましたし、ああいう形は絶対にあると思っていた。うまくあわせられて入ってよかった。(宇佐美選手と縦関係の2トップみたいな形は練習でもやっていましたか?)そうですね。貴史が結構ボールを触ってくれるし起点にもなれるし、なおかつ自分でもいける選手なので、なるべく僕はゴール前にいて勝負しようと思っていました。それが今日はできたのが良かったのかなと思います。(後半、流れをかえるためにどんなことを意識していましたか?)イージーなミスが前半は多かったんですけどそういうところをなくしていければとリズムができるかなと思っていました。前に起点になるとか、潰れる選手がいない、おさめられる選手がいなかったのが結構くるしかったのかな、と。自分が入ったらなるべくそういうところは顔を出して、そこで潰れたり、起点になろうというのは意識していました。それが自分の持ち味だと思うので。また守備の部分でも疲れてくる時間だったので、なるべく自分が率先してという風には思っていました。(リーグ戦は貢献度も高くなっている)そうですね。でもやっぱりまだ消えている時間がすごく多かったので。ただ、最近になってようやく持ち味を出せるようになってきていて…もうすこし早く出せれば良かったというのはあるけど、終わった試合は取り戻せないので、CSとか天皇杯など、残っている試合の中でしっかり結果を残してガンバのために戦いたいと思います。

●宇佐美貴史

(前半流れが悪かった中で後半どういう変化を与えようと思っていました?)変化させようという意識はなかったですね。まずは焦れずに戦おうという話を監督からされていましたし。ただ僕自身は一番前でやっていたので、なかなかそこがうまく…自分のところで少しリズムがなくなっているような気がしていたので、もっと後半はボールに絡もうという風には思っていたしその中で秋くんのケガがあり、1つポジションが落ちた事でよりボールに絡めるようになり、駿くんという1つターゲットとして起点になってくれる選手ができて、そこで勢いがだいぶできたし、流れも変わったのかなと思います。自分自身もあのポジションは久しぶりでしたが、真ん中にいても、右にいても、左にいてもいいっていうのはすごくやりやすかったしその中でああして得点に絡む事もできたので。得点がなかったのは本当に残念だし、悔しいですが。

駿くんが入ってまた、パトとは違うポストプレーの正確さは駿君の方がしっかりやってくれるので本当にやりやすかったし、そうして潰れ役になるというか、周りの選手を活かすだけではなくしっかり点も獲ってくれたので、あれで試合が終わった感はあったし、すごく助けられました。(いい信頼関係を築けているように見えました)こっちも動いてくれれば出せる自信もありますし、逆も然りで、駿くんから僕に出てくることもあると思ってやっていました。アシストになりましたが、駿くんのヘディングの技術でなんとかゴールまでもっていってくれたというだけでした。(1点目が生まれればポンポンと得点が生まれるという雰囲気はあった?)はい、それはありました。流れを作る事が前半はできていなかったので、その流れが出来だして、前半からみんなストレスがたまっていたと思うんですがその鬱憤が一気に出た試合だったと思います。入る時はあんなもんですね。(最後の万博でゴールにこれだけ絡めたということについては?)最後気持ちよく圧勝できて、次のステージにもすすめて…万博に進ませてもらったような感覚はあるし、次のステージでまたしっかり今日のようなというか、今もっている勢いをそのままぶつけていきたい。(それにしてもゴールを相当狙っていましたね)はい、全力で獲りに行っていました。やっぱり自分の得点で締めくくられたら、気持ちがいいなと思ったので。それが出来なかったのはすごく残念ですが、勝てたし、次のステージにも進めたのでそれが一番だと思います。(最後一周するときにこみあげてくるものはありました?)そうですね。寂しい気持ちはやっぱりあったし、感慨深い気持ちもすごくあったので。いろいろ思い出しながらまわっていました。しっかりとガンバらしい、万博でガンバが貫いてきたスタイルを象徴するような戦いが出来て終われたのはすごくよかったと思いますし、うちらしいサッカーができてよかった。

●大森晃太郎

ゴールが生まれるまで、無失点で試合を進められていたのが大きかったです。前半は苦しい展開でしたが、焦れずにやろうと試合前から監督もずっと言っていた。それを続けた結果、今日の勝利があったんだと思います。(長沢選手の投入で前に絡みやくなりましたか?)確かに前で起点が作れるようになったのは非常に大きかったです。(1試合2得点はプロ初?)そうですね。でも、そこはさほど意識していなかったですが。最近は点が取れる感じが戻って来たし、今シーズンもあと少しになったけど、体が動いて来ているので、結果を残せる自信をもってピッチに立てているのが大きい。(得点シーンについて)ほぼほぼ覚えていないですね。ボールが来たから打ったという感じだったので。ただ最近はゴール前に顔を出すシーンが増えているので、それが結果につながっているんだと思います。ま、2点目は宇佐美のゴールみたいなものですけど。(リーグ戦最後の万博に感慨深さは?)素晴らしい環境でずっとやらせてもらってきたという思いはあります。どこのチームのスタジアムよりもいい芝でだったと思うので。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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